フランクフルトの元日本代表MF長谷部誠が、昨シーズンのヨーロッパリーグ(EL)決勝戦レンジャーズ戦での秘話を明かした。20日、クラブ公式サイトが伝えている。

 現在38歳の長谷部は2002年に浦和レッズに入団すると、ヴォルフスブルクニュルンベルクを経て、2014年夏にフランクフルトへと加入。在籍8シーズンで公式戦通算263試合に出場するなど、チームの大黒柱として地位を築いている。また2020年には、ブンデスリーガ通算出場試合数が「309」に到達。これにより、1970年代後半から80年代後半にかけてフランクフルトレヴァークーゼンなどで活躍したチャ・ボングン氏が、保持していた同リーグにおけるアジア人最多出場記録「308」を抜き、歴代1位となった。

 来年1月には39歳の誕生日を迎える長谷部。プロ21年目のシーズンに向けて同選手は「体調はとても良いです。もちろん疲れますが、準備として必要なこと。ここ数日、暑い日が続いていますね。日本はもっと暑くて湿度も高いので慣れていますが」と自身のコンディションに言及した。

 1959-60シーズン以来のチャンピオンズリーグ(CL)に出場するフランクフルト。悲願達成を果たして、同クラブのエンブレムを纏いCLの舞台に挑む長谷部は「チャンピオンズリーグプレーすることは、特別なことなんです。僕は4年前、“アイントラハトでこの大会に出るのが夢”と言いました。そして今、チームはそれを実現したんです」と万感。続けて「ピッチで自分のクオリティを発揮できるかどうかは、自分自身の手にかかっています。チャンスを掴みたいですね」とポジション争いに向けて意気込みを語った。

 EL決勝戦ではPK戦にまでもつれ込んだ死闘を制して、同大会優勝およびCL出場権を獲得したフランクフルト長谷部は、同クラブに所属するMF鎌田大地との秘話について「監督からPKを蹴る準備が出来ているかと聞かれたので『もちろん!』と答えました。しかしながら、すでに4人のキッカーが決定していましたし、隣にいた大地がどうしてもシュートを打ちたがっていたので『やれよ、勝つことが第一だ』と背中を押したんです。もちろん、僕が蹴っていても得点していたはず(笑)」とPK戦の直前に起こった一幕を明かしている。

EL優勝の喜びを噛みしめる長谷部と鎌田 [写真]=Getty Images