肩や首の不調に続き、多くの方が悩みを感じている腰。腰自体が悪い場合もありますが、膝などほかの関節、姿勢や生活習慣が原因になっていることも多いそう。近畿医療専門学校の理事長であり、柔道整復師・鍼灸師の資格を持つ小林英健先生に腰の痛みの原因や解消法を聞きました。

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土台がゆがむと不調が起きる

「筋肉は部位ごとに名前がついているので、1つひとつ別のものと思いがちですが、しかし体はつながっています。膝から腰や背中などの筋肉は連動していますので、腰の痛みの原因は膝など他の部位にあることも。小林整骨院では、多くの不調には骨盤が関係していると考え、施術でも骨盤矯正をとても重視しています。骨盤は、家の土台に例えられることがありますよね。土台が歪むと家は傾いてしまいますが、人の場合は無意識にバランスを取ろうとします。一部が傾いても元に戻ろうとしてS字に歪んだり、知らずしらずのうちに他の部位に負担をかけていることもあります。手と同様に足にも利き足があるため、真っすぐに立っているつもりでも、どちらかに体重がのっていたり、鞄を持つ手がいつも同じだったり。日常の中でも体の歪みは出てくるものなんです。」と小林先生。

 普通に生活をしていてもバランスが崩れてしまうそうですが、横座りしたり脚を組んだりすることで、歪みをさらに進めてしまう行動をしている可能性もあります。

骨盤バランスのチェック法

・真っすぐな姿勢で椅子に座る
・両足裏は床につけ、かかとがくっつくように足の位置を調整する
・膝の位置を見てみましょう

「解剖学的には、左右の骨の長さは同じはずです。そのため、まっすぐに座った時に左右差が出ていれば、骨盤のバランスが崩れていると言えます。まっすぐに座った姿勢をキープすることができず、辛さや痛みを感じる方も姿勢が崩れている可能性があります。歪みを自覚していても、正しい姿勢を保つのが苦しく、しんどいはずです。こうした癖を治すのは大変ですが、腰痛は骨盤バランスが影響していることも多いため、良い姿勢で座ることは非常に重要なんです」と、小林先生。

姿勢キープには〇〇を利用しよう

 姿勢が悪い人は脚を開いて座っていることが多いそう。

「脚を開くと背中が丸くなり、猫背になります。しかし、足を揃えて座ることで背中が伸びるんです。小林整骨院では、良い姿勢をキープするための補助アイテムとして『礒紐(いそひも)』を使っています。これは、脚が開かないよう膝上を紐で結ぶものです。」と小林先生。

 家にある紐やタオルなどを使うこともできますが、強く結びすぎて肌に食い込まないように調整する必要がありそうです。

 仕事中、勉強中、移動中。座っている時間はとても長いです。足を組んだり、横座りしたりせず、脚を閉じてまっすぐに座るようにしましょう。慣れるまでは違和感や痛みが出たり、落ち着かなかいかもしれませんが、長期的に見ればとても大切な行動変化です。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

小林英健

学校法人近畿医療学園 近畿医療専門学校 理事長 小林英健

柔道整復師の資格を取得し、1985年11月、株式会社KMC小林整骨院グループ「小林整骨院」を大阪府八尾市で開業(現:あすなろ整骨院北本町)。お客様に寄り添うことを大切に、複雑な症状の治療、即効性のある治療を目指して学び続け、鍼灸師の資格も取得。現在では全国に41店舗を展開し、全グループ院の延べ来院患者数は1350万人を超える。
「スポーツ活法」というトップアスリートの心身をサポートするための独自療法を確立させ、その高い技術多くのアスリートからも支持されている。患者やアスリートを癒し、スポーツ界や地域社会に貢献することを目指している。

小林整骨院HP
https://www.seikotsuin-kobayashi.com/

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