女優の吉高由里子が主演を務め、俳優の北村匠海が共演するドラマ『星降る夜に』が、テレビ朝日系にて2023年1月より毎週火曜21時に放送されることが決まった。吉高はテレビ朝日の連続ドラマ初主演となる。

【写真】吉高由里子&脚本家・大石静の2ショット

 『セカンドバージン』(20102011)や『大恋愛~僕を忘れる君と』(2018)など、珠玉のラブストーリーを次々と生み出す“恋愛ドラマの名手”である脚本家・大石静の完全オリジナル作品となる本作は、10歳下の彼との、大人のピュア・ラブストーリー。先日発表されたばかりのテレビ朝日・火曜21時の新ドラマ枠での放送となる。

 主演を務める吉高がテレビ朝日のドラマに出演するのは、ゲスト出演した『時効警察』(2006)、『PS ‐羅生門‐』(2006)以来、約17年ぶり。満を持して同局連続ドラマ初主演を飾る。そんな吉高の相手役を務める北村は、自身のドラマ出演作では希少なピュア・ラブストーリーに真っ向から挑む。

 のどかな海街の病院で働く35歳の産婦人科医・雪宮鈴(吉高)と、遺品整理士として働く25歳の柊一星(北村)。そんな《命のはじまり》と《命の終わり》をつかさどる2人が、ひたむきな10歳差恋愛を育んでいく。

 鈴は、新たな命の誕生という輝かしい瞬間に誠実に手を差し伸べる一方、窮屈(きゅうくつ)で息苦しい社会の中で心がすり減り、誰に弱音をはくこともできない“孤独”な女性。必死に勉強して医者になり、努力してお金と地位を築いた代わりに、共に戦った仲間や、昔抱いていたはずの熱意や夢は失ってしまった。「女性の社会進出」と無駄に時代にほめそやされ、かと思えば「上を目指す女は面倒」とむげに扱われ…社会は必ずしも正しい者の味方ではなく、戦っても疲れるだけと学んだ鈴。

 「辞めたい」と思うほどもう若くないし、いまさら熱意あふれた自分には戻れない。いつの間にやら笑顔も涙もどこかに置いて、どこか死んだ魚のような目で働きながら毎日を消化する…。ヒロイン・鈴はそんな現代女性の権化である。

 そんな彼女はある日、息抜きのためソロキャンプへ。1人で酒をあおり、輝く星空を見上げている鈴のもとへ現れたのは、何も語らず、自分に向かってカメラのシャッターを連続で切る一星だった。しかも彼は、いきなり鈴にキスをして…?

 そんなドラマチックな出来事を経た翌朝、微妙に記憶のない頭を抱えて目覚めた鈴は、一星が何か手でサインを伝えたまま、去ってゆく背中を見送ることに。ふと現実に戻った鈴は、やがて一星のサインの意味に気づく。それは「お前のゲロは全部片付けた、バカ女」、と手話で悪態をついていたのだ。しかも…この出会いは、やがてお互いにとって《かけがえのない運命の出会い》となることに。

 音のない世界を生き、映画鑑賞にキャンプに世界旅行にカメラ…と多趣味で自由奔放、心のままに人生を満喫している一星。世界中に友人を持ち、自信に満ちあふれ、どこまでもフラットで、コンプレックスもない、そんな10歳も年下で、時々妙に強引で子どもっぽいけれど、どうにも目をそらすことのできない輝きを放つ彼に触れ、さまざまな既成概念に押しつぶされて生きる鈴の心は、どんどん解放されてゆき…。

 脚本の大石は「このドラマは産婦人科医の女性と、遺品整理士の聾(ろう)の青年のラブストーリーですが、青年は音のない世界に生きているからこそ、逆にのびやかで、感情豊かで、自由な魂の持ち主です。固定観念を鮮やかに飛び超える、10歳年下の青年との出会いによって、ヒロインも閉ざしていた心を次第に解放させ、自分らしさを取り戻してゆきます」と説明。

 さらに「吉高由里子さんとは2度目の連ドラで、この先、大河ドラマもご一緒する予定ですが、彼女は美貌で華やかなだけでなく、孤独な心を胸にしみるリアリズムで表現できる稀有(けう)なる女優さんです。この閉塞した時代を生きる“出来る女の孤独”を、今回もしみじみと表現してくれると思います」と期待する。

 ドラマ『星降る夜に』は、テレビ朝日系にて2023年1月より毎週火曜21時放送。

 大石静のコメント全文は下記の通り。

大石静(脚本)コメント全文

 2021年4月期に放送した『あのときキスしておけば』の台本を執筆している頃、貴島プロデュ―サーから、この企画をやらないかというお話をいただきました。貴島Pは学生時代に手話サークルに所属されていた経験があり、長い間温めてこられた企画だそうです。私もそれから取材をしたり、音のない世界を経験したりしながら、一緒に物語を作ってゆきました。

 当たり前の価値観の向こう側にあるかもしれない“真実”を求めて、ドラマを作っているのだと、私は常日頃から思っています。このドラマは産婦人科医の女性と、遺品整理士の聾(ろう)の青年のラブストーリーですが、青年は音のない世界に生きているからこそ、逆にのびやかで、感情豊かで、自由な魂の持ち主です。固定観念を鮮やかに飛び超える、10歳年下の青年との出会いによって、ヒロインも閉ざしていた心を次第に解放させ、自分らしさを取り戻してゆきます。

 吉高由里子さんとは2度目の連ドラで、この先、大河ドラマもご一緒する予定ですが、彼女は美貌で華やかなだけでなく、孤独な心を胸にしみるリアリズムで表現できる稀有(けう)なる女優さんです。この閉塞した時代を生きる“出来る女の孤独”を、今回もしみじみと表現してくれると思います。平安時代に行くとしばらく戻って来られませんので、吉高さんの才能と素敵さを現代劇で思いっきり味わっていただきたいと思いながら書いています。

 北村匠海さんとは初めての仕事ですが、『君の膵臓をたべたい』で彼を知った時の衝撃は忘れられません。色っぽさと透明感が同居していて、シビレました。あの映画の頃よりずっと大人になった北村さんが、今回、強気でわがままで、一直線で、既成の価値観を軽々と越えて行く聾の青年を、どのように演じてくれるのか、楽しみにしています。

 “命の始まりと終わり”を司る産婦人科医と遺品整理士の、星降る夜の宿命の出会い、そして恋。テレビ朝日火曜21時の“新枠”ということで、2023年幕開けにふさわしい記念すべきドラマとなるよう、頑張ります。このドラマが提示する新しい価値観が、日本の中だけでなく、国境を越えて世界中の方に届くことを祈りながら…。どうぞ、ご期待下さい。

ドラマ『星降る夜に』に出演する(左から)吉高由里子、北村匠海 (C)テレビ朝日