チェルシーを率いるトーマス・トゥヘル監督が、主将を務めるスペイン代表DFセサル・アスピリクエタの退団に否定的な考えを示した。22日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 現在32歳のアスピリクエタは2012年夏にマルセイユからチェルシーに加入。2019-20シーズンからは主将を務め、公式戦通算474試合に出場し、17ゴール55アシストを記録している。しかし、現行契約が2022年6月30日までとなっていることや、すでに2年契約でチェルシー在籍時よりも大幅な昇給が見込まれる条件でバルセロナと個人合意していることが報じられていることなどから去就には注目が集まっている。

 バルセロナからの接触に対し、苛立ちはあるかと聞かれたトゥヘル監督は「もしかしたら少しね」と語った一方で、今夏にナポリから31歳のセネガル代表DFカリドゥ・クリバリを3300万ポンド(約54億円)で獲得したのを引き合いに出し、アスピリクエタが過小評価されていることに不満を持っていることも強調した。

「アスピが望んでいることを実現させてあげることができるかはわからないので、難しい質問だ。焦点となるのは私たちが望んでいるものにもある。ほぼ同じ年齢で代表選手でもあるクリバリ獲得のために私たちがどれだけ戦ったかということと比較もしている」

「彼はナポリにとって非常に重要な選手だったが、私たちにとってもスペイン代表選手でチェルシーのキャプテンを務めている選手だ。私は彼を同じレベルの価値だと見ているが、バルセロナはそのレベルで彼を見ていない。彼は重要な選手だから、彼が望んでいることを与えてあげられるかはわからない」

「他のクラブのことなどについてあまり考えたりしない。焦点は私たちと私たちが必要としていることにある。彼には個人的、そしてキャリアレベルでは理解していることを伝えている。でも、私は彼の望みを叶えるためだけにこの役割にいるのではない。私はチェルシーの監督で、チェルシーのために最善を尽くしたいと思っている」

「彼はこれを好んではいないが、理解はしている。他のクラブが彼を求めているので、彼にとっては厳しい状況ではある。でも、9月1日になって状況が落ち着いたら、彼は最高のレベルでプレーできると思うよ」

「彼が希望していること、興味、彼のキャリアに対する考え、私生活などについては理解しているが、彼は私たちのキャプテンで、巨大なキャプテンであり、レジェンドで勝者だ。監督としての役割を持つ私が、彼の持っているこれらの強みを諦めるための多くの理由を見つけることはできていない」

去就に注目が集まっているアスピリクエタ [写真]=Getty Images