阪神がV字回復を果たした。前半最終戦となった24日のDeNA戦(甲子園)を1ー0と勝利。自慢の投手力を結集し、同一カード3連勝。今季初めて勝率5割に到達し、最大「16」あった借金を完済。これで広島と並び、同率2位に浮上した。

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 猛虎の夏がやってきそうだ。この日の試合、先発のガンケルは2回から5回まで毎回先頭を出す苦しい展開。それでも粘り強く投げ失点を許さない。6回無失点で降板すると、新「勝利の方程式」7回は浜地が三者連続三振、8回を湯浅が三者凡退にピシャリと締めた。最後九回は守護神の岩崎がしっかりと抑え、ゲームセット。

 打線は4回に大山の犠飛で先制した1点のみ。それでも自慢の投手陣で守り勝った。悪夢の開幕9連敗から始まり、最大16あった借金を完済。首位ヤクルトとの差は「11」あるも、決して奇跡をあきらめていない。

 「ここから本当のドラマを起こすにはみなさんがドラマを信じてくれて、僕たちが『ドラマを起こすんだ』という気持ちをさらに高めないと。僕たちの戦いをどれだけできるか」と矢野監督の言葉にも力がこもる。

 そしてV字回復を果たした立役者として、指摘されているのが、抜群の安定感を誇るリリーフ陣にもある。

 「岩崎につなぐ、浜地、湯浅といったリリーフ陣が安定したことが大きい。かつてのJFKを彷彿とさせる。やはり後ろが安定すると先発も最初から飛ばしていける。元々いい投手陣がさらに強固になった。後半戦は他球団も警戒を強めることになる」(球界関係者)

 7回から登板し三者連続三振に打ち取った浜地、8回を三者凡退に仕留めた湯浅の若き2人のリリーフの力をたたえる声が多い。

 湯浅はここまで37試合に登板し、27ホールド防御率1・80、浜地は30試合に登板し、10ホールド防御率1・27と安定した成績を残す。

 元々先発投手陣の陣容はリーグ一といわれる阪神。昨年まで絶対守護神だったスアレスを欠いたことで泣きどころだった、リリーフ陣が安定してくれば、この成績も納得だろう。

 チーム体質としても勢いがつくと止まらないともいわれている。勝負の夏に大型連勝を成し遂げて、今季限りで退任が決まっている矢野監督に花を持たせられるか。さらに熱い戦いを期待し、猛虎ファンのボルテージは上がる一方だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

矢野阪神 借金完済で2位浮上!V字回復の裏に「陰のキーマン」とは