今年もまもなく花火や夏祭りの季節が到来。コロナ禍の影響で近年は中止となっていた花火大会も、今年は久々の開催に向け準備を進めているところも多い。本格的なシーズンを前に、ウォーカープラスでは花火にまつわるおすすめの漫画をピックアップ。今回はイラストレーター、デザイナーのしばたま(@shibatamaa)さんが描く、花火大会の甘酸っぱい失敗談を紹介しよう。

【漫画】「甘酸っぱすぎる!花火大会の思い出エピソード」を読む

■思いがけない「二人きりの花火大会」。決意の告白の結果は…

Instagramで募集した「フォロワーさんが体験した〇〇な話」を描いた漫画がたびたび話題を集めるしばたまさん。今回取り上げるのは、フォロワーの田村さんが寄せた、花火デートの意外な顛末だ。

高校生の夏、女の子グループで地元の花火大会へ足を運んだ時のこと。浴衣に下駄でおめかしして花火を楽しんでいると、突然「お~い田村~!!」と後ろから声をかけられた田村さん、振り返るとそこには男友達の佐野君の姿があった。

実は中学生の頃から佐野君に片想いをしていたという田村さんは、突然の遭遇にびっくり。「私、メイク大丈夫かな?!!」とどぎまぎしながらも、佐野君としばし他愛もない話を交わしていた。

少しして、一緒に来ていた友人たちがいないことに気付いた田村さん。佐野君の方もはぐれてしまったようで、田村さんにとってはひょんなことから、恋する相手と二人きりの花火デートのような展開になっていた。

その後は、グループを探すことも忘れ、花火と出店を満喫した二人。スマホには友人から解散の連絡が届き、そのまま佐野君と帰り道も一緒にいることになった。

その道すがら、「あっちから帰るか」と細い道を指差した佐野君。その理由を訊くと「こっちの道結構ゴツゴツしてるじゃん」と一言。足元が下駄の田村さんの足に気を遣ってくれていたのだ。

ありがと…」とか細く返事をする田村さんだったが、内心では佐野君の見せる優しさに動転。絶好のチャンスではないかと思った田村さんが意を決して告白しようと思ったのもつかのま、あえなく自宅の前に辿り着き、時間切れに終わってしまう。

けれど、花火で過ごした時間が後押しとなり、「ラインすればいいのよ!!」と決意が揺るがなかった田村さん。家についてすぐ、中学の頃からのありったけの想いをしたためた告白メッセージを送信したのだった。

そして、10分後。新着メッセージの表示を見てスマホを確認する田村さん。佐野君からの返事かと思いきや、相手は父で「なんだ~パパか」と拍子抜けする田村さんだったが、父からのメッセージは「間違って送ってない…?」。そう、佐野君に送ったはずの恋文は、なんと父に送信されていたのだった……。

■「声を出してしまった」甘酸っぱさ満点の青春エピソードに、作者も悶絶!

読んでいると胸がくすぐったくなるほど青春すぎる展開から一転、父への告白という忘れたくても忘れられない黒歴史に変わってしまった、二重の意味で「悶絶」してしまう失敗談。結局、彼との恋も実らなかったというが、一緒に観られた花火の光景はそんな顛末も含め、今も田村さんの胸に焼き付いているという。

600通近く応募があった体験談の中から選び、描いたという本作。しばたまさんも「思わず読んでいて声を出してしまった」と唸るほど、在りし日の青春を思い起こさせるエモさ抜群のエピソードだ。しばたまさんも、漫画に描く上で甘酸っぱさを出せるように意識したと話してくれた。

思い出したら赤面すること間違いなしの大失敗でも、時が経てばどこかくすぐったくも懐かしい思い出に変わるもの。今年の夏は花火とともに、それぞれの青春を振り返ってみてはいかがだろうか。

取材協力:しばたま(@shibatamaa)

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