アーセナルに復帰したスペイン人DFエクトル・ベジェリンが、今夏のアーセナル退団と他クラブへの移籍を検討しているようだ。28日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 現在27歳のベジェリンはバルセロナの下部組織出身。2011年にアーセナルアカデミーに移籍すると、2013年に同クラブとプロ契約を締結した。負傷に悩まされながらも、右サイドバック(SB)の主力としてここまで公式戦239試合に出場し9ゴール29アシストを記録している。2021-22シーズンは1シーズンの期限付き移籍でベティスに加入。公式戦32試合に出場し、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)制覇にも貢献した。

 今夏にアーセナルに復帰し、同クラブのプレシーズン活動に参加しているベジェリンだが、現在アーセナルからの退団と他クラブへの移籍を本格的に検討しているようだ。ベジェリンとアーセナルとの契約は2023年6月までとなっているが、同選手は今夏のタイミングでの他クラブへの移籍を希望しているとのこと。報道によると、すでにクラブ側と選手側との間で、退団に向けた交渉がスタートしているという。

 ベジェリン本人は、21-22シーズンを過ごしたベティスへの再加入を熱望していると伝えられている。しかし、現状ベティスにはベジェリンを獲得し、給与を支払うだけの金銭的余裕はなく、同選手を獲得するためには既存戦力を5人ほど売却する必要があるという。こうしたことから、ベジェリンが今夏にベティスに復帰する可能性は低いと見られている。なお、同選手に対しては、スペインイタリア方面からの関心も伝えられているが、移籍に向けた交渉が実際に行われているかどうかは不透明なようだ。

 21-22シーズン、アーセナルでは日本代表DF冨安健洋が右SBとして安定感抜群のパフォーマンスを披露。ポルトガル代表DFセドリック・ソアレスバックアップに控え、センターバック(CB)を本職とするイングランド代表DFベン・ホワイトも右SBとしてのプレーが可能だ。こうしたことから、ベジェリンがアーセナルに残留した場合でも、出場機会は少なくなることが予想される。果たしてベジェリンは今夏、どのような決断を下すのだろうか。

今夏にアーセナルに復帰したベジェリン [写真]=Getty Images