UEFA欧州サッカー連盟)は、フェネルバフチェ(トルコ1部)サポーターの不適切な行為に対する調査を開始したようだ。28日、イギリスメディア『BBC』や『スカイスポーツ』が伝えている。

 事態の発端となったのは、27日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)2次予選セカンドレグのフェネルバフチェvsディナモ・キーウウクライナ)の試合。延長戦までもつれ込んだ同試合はディナモ・キーウが2-1で勝利し、2戦合計スコア2-1で見事3回戦への進出を決めた。

 問題が起こったのはこの試合の58分、ヴィタリー・ブヤルスキーのゴールでディナモ・キーウが先制した直後だった。得点後、ディナモ・キーウの選手がフェネルバフチェサポーターの前で喜びを表現。これを挑発と受け取ったフェネルバフチェサポーターの一部が、ディナモ・キーウの選手たちに向けて、ウクライナ侵攻を指揮するロシアウラジーミル・プーチン大統領の名前を大合唱。「ウラジーミル・プーチン」というチャント(合唱)はこの後数分間に渡って続けられたという。

 これを受け、ディナモ・キーウのミルチェア・ルチェスク監督は試合後に記者団に対し、「ファンの振る舞いを受け入れることはできない。あのようなチャントは予想していなかった。残念だ」とコメント。その後の記者会見への出席を拒否した。『スカイスポーツ』によるとフェネルバフチェも「クラブの価値観を反映した行為ではない」と主張しつつ、「クラブとして、スタンドの一部から聞こえた声や反応に対して反対する」との声明を発表したという。

 事態を受け、UEFAはフェネルバフチェに対する処分を検討。「倫理・規律委員会が、ディナモ・キーウ戦でのフェネルバフチェサポーターの不適切な行為に関する調査を実施する」との声明を発表し、調査の開始を宣言した。なお、詳細については後日発表される見通しとなっている。

フェネルバフチェのサポーター [写真]=Getty Images