このほど、ハイキングをしていた53歳の男性が足を滑らせ21メートルの高さから滑落してしまった。肋骨と股関節を骨折した男性はギリギリ電波の届くところから救助を求めることができたが、そのまま連絡が取れなくなってしまい捜索は難航した。ところが男性と一緒にハイキングをしていた愛犬が森の中から現れ、走っていく犬の後ろを隊員がついていくと男性の位場所にたどり着くことができたという。隊員を飼い主のもとに導いた賢い犬の詳細を、『TODAY』などが伝えている。

今月12日夜、米カリフォルニア州タホ・ナショナル・フォレストにハイキングをしに訪れていた53歳の男性が、足を滑らせ約70フィート(約21メートル)の高さから落下してしまった。高い場所から落ちた男性は着地した際に肋骨と股関節を骨折してしまった。

自力で帰ることができなくなってしまった男性は、翌日午後になんとか携帯の電波が届く場所に移動して電話で救助を求めることができた。連絡を受けカリフォルニア州の消防隊が男性の捜索を開始したがなかなか男性の姿を見つけることができなかったため、同州ネバダ郡の非営利捜索救難団体が25人のボランティア救助隊員を派遣し男性の捜索に加わった。

同団体で隊長を務めるデニス・ハックさん(Dennis Hack)は、「『男性の声が聞こえた』と話す隊員もいましたが、どこから聞こえてくるのか分からなかったのです」と捜索が難航した当時について言及した。男性に再び連絡を取ろうとしたものの電波が繋がらなくなっていたため、男性の詳細な場所の情報を得ることができなくなってしまった。

手掛かりが少ない中で懸命に捜索を続けていると、どこからともなく1匹の犬が現れジャンプをしたり走り回ったりとせわしなく動き始めた。不思議に思った救助隊員らが近づくと犬は森の中に入って走り始めたため慌てて隊員らが犬のあとを追いかけると、約200ヤード(約183メートル)を駆け抜けたところで迷彩柄のタープが敷かれた地面に横たわる男性の姿を発見した。

実は男性のもとに導いたこの犬は、男性の愛犬であるボーダーコリーの“サウル(Saul)”だった。飼い主の近くまできた救助隊員に気がついたサウルは一目散に森を駆けて隊員のもとに姿を現すと、飼い主の居場所を知らせたのだ。

捜索を終えて帰ってきた隊員からこの話を聞いたというデニスさんは、「犬のあとを追いかけて遭難者を見つけるだなんて、まるで映画のような話だったのでとても信じられませんでしたよ」と目を丸くさせた。サウルのおかげで捜索開始から約7時間後に発見された男性は、ヘリコプターによってタホ・フォレスト病院に運ばれた。

一方で名犬ラッシーさながらの活躍を見せたサウルは、カリフォルニア州北部ネバダ郡グラスバレーにある地元の非営利団体により保護されてご褒美の夕食を貰った。今後サウルは飼い主が回復するまでの間、同団体に保護されることになった。

忠誠心の高すぎるサウルの行動には「なんて素晴らしい犬なんだ」「よくやった“ラッシー”!」「素敵なストーリーだ」「サウルをいっぱい褒めてあげないと」「サウルは飼い主さんが大好きなんだね!」など感心の声が多数寄せられていた。

なお過去にも山登り中に発作を起こし意識を失った飼い主のため、2匹の愛犬が見事なチームワークで助けを呼んだというニュースが注目を集めていた。

画像は『Nevada County Sheriff’s Search & Rescue 2022年7月13日付Facebook「Earlier today SAR was requested by CalFire to assist in searching for a 53 year old male that had fallen approximately 70 feet and complained of a broken hip and broken ribs」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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