2018年に公開された是枝裕和監督の映画『万引き家族』で、家族のために父親と万引きに手を染める息子を好演し、一躍注目を集めた城桧吏。あれから4年、現在15歳の彼は、公開中の山崎貴監督最新作『ゴーストブック おばけずかん』に主人公・坂本一樹役として出演。170㎝になった体のみならず、役者としても大きな成長を遂げている。

【写真で振り返る】少年から大人へ! 城桧吏、身長や表情も変化

■『万引き家族』から4年 映画・ドラマで着実に積んできたキャリア


 『万引き家族』に出演するやいなや、12歳とは思えない物憂げな雰囲気と、強い意志を宿した目力で、日本だけではなく世界の観客をスクリーンに引き込んだ。リリー・フランキー安藤サクラ松岡茉優、樹木希林ら、日本を代表する俳優に引けを取らない存在感を放っていたことは、4年経った今でも記憶に新しい。

 その後、2020年には映画『約束のネバーランド』に出演。原作ファンも根強い人気漫画の実写映画化、という周囲からの期待値も高い作品ではあったが、現実主義でクールな少年・レイを見事に演じきった。

 さらに、大河ドラマ『西郷どん』(NHK)をはじめ、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)、『時効警察はじめました』『ドクターⅩ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など、話題のドラマに多数出演し、着実にキャリアを重ねている。

 そんな城が、2021年には2作品の映画に出演。新たな一面を見せている。葛飾北斎の生涯を描いた映画『HOKUSAI』では、青年期を演じる柳楽優弥、老年期を演じる田中泯と共に、第三の北斎として少年期を熱演。本作は、砂浜に木の枝のみを使って犬の絵を一心不乱に力強く描く少年期の北斎、つまり城のシーンから始まる。体全体を使いエネルギッシュに描写するさまは北斎の人物像を表しており、本作において欠かせないエッセンスとなっている。

 また、自身の映画初主演作となった映画『都会のトム&ソーヤ』では、どこにでもいる平均的な中学生を好演。今までの作品で演じてきた冷静沈着な城のイメージとはガラリと変わり、アクションにも挑戦するなど快活な一面を披露している。今までの印象とは違う役をすんなり演じ、観客にも違和感を感じさせないのは、城の持ち合わせた才能なのかもしれない。

 今回、城が主人公として出演している映画『ゴーストブック おばけずかん』では、怖がりで頼りない、でも友達思いの少年・一樹を演じている。本作の主人公4人の中でも中心的な存在である城が、しっかりと作品を引っ張り、役者としての頼もしさを感じ取ることができる。
 
 役者という仕事について「『大変だな』と感じることがあっても、いつも『楽しい』という気持ちが勝つので、本当にこのお仕事が好きなんだと思います」と語る城。悪役やハードなアクションにも挑戦したいという彼の今後の出演作、そしてさらなる成長にも注目したい。

 映画『ゴーストブック おばけずかん』は全国公開中。

城桧吏  クランクイン! 写真:高野広美