ガリガリ君

8月──。子供達は夏休みに入り、街はどこか解放感があふれている。だが、家計はそうした明るい雰囲気とはいかない。8月になって多くのものが値上げするからだ。

「値上げラッシュ」が続く中、値段が変わらない商品がある。それらのメーカーに価格を据え置く理由を聞くと…。


■値上げラッシュの夏

8月もさまざまなものの値段が上がる。ハウスのカレールウやカレー関連調味料99品が約10%値上げし、味の素の冷凍食品47品も約6~14%上昇。さらに東京電力中部電力などが電気代を上げるなど、値上げラッシュが家計に直撃している。

ロシアウクライナ侵攻に端を発した原材料価格高騰は、依然として私達の生活に暗い影を落としている。そんな厳しい状況下でも、値段を据え置きにしているものも。

ペヤングソースやきそばは193円で、ガリガリ君は76円とリーズナブルな価格を維持しているのだ(いずれも税別)。2商品を販売するメーカーに値上げしない理由を尋ねると、驚きの「企業努力」が明らかになった。


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■ペヤングのメーカーの回答

ペヤング

まず、ペヤングを製造するまるか食品株式会社に話を聞いた。「日本全体で物価上昇が騒がれている中、変わらない価格を維持することで今後もペヤング製品をより多くのお客様の手に取っていただけると感じております。また、数あるカップ麺製品において、よりお客様の身近な製品としてあり続けたいと考えております」(まるか食品株式会社)。

価格を据え置くためにこんな努力をしていた。「社内にてすべての工程の見直しを行い、徹底したロス・ムダ削減を実施し、全社員が一丸となり目標値を達成することで価格を維持できるように致しました」(前出・まるか食品株式会社)。

■41年貫くコンセプト

ガリガリ君

一方、ガリガリ君を製造する赤城乳業は、同商品を発売した1981年から41年間貫くコンセプトを大切にしているようで…。「『子供が気軽に買える』をコンセプトの一つにしています。実際、子供の頃にガリガリ君を買ってくれた方が大人になって『価格が昔のままで懐かしい』『こんなに安かったんだ』と再び手に取ってくれています。 今、ガリガリ君を買ってくれている子供達が40年後も買ってくれるためには、76円の価格を据え置くべきだと判断しました」(赤城乳業)。

記者も子供の頃、100円玉を握りしめて同商品を買った記憶がある。小学生でも買える値段が魅力であることは間違いない。


■安価な価格の秘訣

そんなリーズナブルな価格を維持する秘訣について聞いた。「価格の大小に関わらずアイスクリーム製品の特性上、冷凍下での保管・輸送が必要になります。特に物流・エネルギーコストに対する改善は難しいのですが、工場の生産ライン専用化による生産効率の向上など弊社でできることを日々積み重ねています」(前出・赤城乳業)。

長年老若男女問わず多くの人に愛されているペヤングガリガリ君。「変わらない良さ」を維持しようというメーカーの情熱は燃え尽きることがない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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