芸能界で唯一無二の存在感を放ち続けるおぎはやぎ(小木博明、矢作兼)。そんな彼らのルーツと、高校の同級生として過ごした青春時代が解き明かされるテレビ朝日系バラエティー特番「あいつ今何してる? 2時間スペシャル」が、8月3日(水曜夜7:00-8:54ほか、テレビ朝日系)に放送される。番組収録後に話を聞くと、小木と矢作は「モテていた」という、互いの学生生活における“リア充”エピソードを披露。こういった充実した学生時代が、今のどこか余裕を感じさせるスタンス・芸風に繋がっている側面もあるのか。そんな質問をぶつけると、矢作は「実感は特にない」としつつ、「“お笑い”をそこまですごいこととも思ってない」と達観し、「だから、余裕があるように見えるんじゃないか」と分析していた。また、“仲良しコンビ”としても知られるおぎやはぎに、仲良くい続ける秘訣を聞くと、2人は「嫌なところを見ない」と明かした。

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■“リア充”だったおぎやはぎの学生時代…モテエピソードも明かす

――まず、収録を終えての感想から聞かせてください。

矢作:大満足でした。「僕らの同級生やお世話になった人の現在の姿なんて、視聴者さんは見ていて楽しめるのかな?」とも思うけど、僕個人としてはもう最高に楽しめました。だって事前の打ち合わせで、昔の友だちの思い出話をしたら、今何をしているのかを調べてVTRにまとめてくれるんですから。こんなに至れり尽くせりの番組が楽しくないなんていうタレントさん、絶対に一人もいないはずですよ。

小木:ほんとに、こんなに楽しい番組はないんじゃないかと思います。矢作が僕をこの世界に誘った時の台詞が「楽して稼げる仕事をやらないか?」でしたから、この番組はまさに楽して稼げる番組で。あの言葉が嘘じゃないと証明されましたよ(笑)。

――収録を拝見していて、お二人の学生時代はかなり充実していた印象を受けました。

矢作:“リア充”でしたからね(笑)。小木なんて、学校で1番かわいい子と2番目にかわいい子、それぞれと付き合っていたことありますし。

小木:たしかに。美人は俺のことを好きになってくれるんです(笑)。でも矢作もモテていて、文化祭で「モテる男」を選ぶアンケート企画があったんですけど、学年で2位になってましたからね。

■お互いの印象は…矢作「小木は唯一無二」、小木「矢作は“小木の見方”を教えてくれる」

――高校の文化祭では2人で漫才をやられたこともあったそうですね。後に矢作さんから小木さんに声を掛けて、おぎやはぎが結成されるわけですが、矢作さんから見て、小木さんの面白さは当時から際立っていたのでしょうか。

矢作:それはもう光ってましたよ。小木は普通じゃないですからね。この「普通じゃない」というのが、小木に興味を持った理由として一番大きかったのかもしれないでしう。子どもの頃からテレビで「ドリフ」や「ひょうきん族」などお笑い芸人の番組はたくさん見ていましたけど、テレビに出てる誰とも小木は被ってなくて。今までにない面白さのパターンというか、唯一無二という印象を受けました。

――小木さんは学生時代、生粋のお笑い好きというわけではなかったそうですが、どこでその独自の笑いのセンスを身に付けたのでしょうか。

小木:いや、わかんないです(笑)。ただ今思えば、単純に矢作と一緒にいるのが楽だったんですよね。矢作と仲良くなってからは、同じグループでよく遊んでいたんですよ。その時に、僕が何かを言えば、その発言が面白くなるように矢作がフォローしてくれていたんです。「ツッコミ」という感じではないんですけど、「小木はこういう見方したら面白いんだよ」と周りに解釈を示してくれるというか。矢作は当時から“小木の見方”を教えてくれる存在だったんですよ(笑)。

■独特な芸風の理由は“勉強不足”「ボケ・ツッコミの概念がなかった」

――収録では、デビュー当時から今と変わらない、ボケもツッコミもないスタイルだったというお話が出ましたが、どうやってこのスタイルを思い付いたのでしょうか。

矢作:思い付いたというか、単純にボケとかツッコミとかいう概念がなかったんです。当時からお笑い番組は好きで見ていましたが、お笑いの分析なんかしたこともなくて、漫才を見ても「普通に会話をしてる」くらいの認識だったんですよ。真面目な人であれば、過去の漫才やコントを見て研究するんでしょうけど、僕らは「お笑いなんか、ちょっと面白い人間だったらすぐに売れるでしょ」とナメてましたから(笑)。なので、勉強不足だったんですが、それがかえってお客さんには新しく見えたというだけだと思います。

――新人の頃、事務所の先輩などから「ボケとツッコミを明確に決めたほうがいい」などのアドバイスはなかったのでしょうか。

矢作:アドバイスなんてないよな?

小木:アドバイスないんですよ、人力舎は(笑)。逆に、無理矢理やり方を変えさせない事務所のスタンスも、今思えば僕らには良かったと思いますね。

■「“お笑い”をそこまですごいと思ってない」「お笑いの自覚がない」自然体でい続ける理由

――芸人さんの中には学生時代に鬱屈した青春を過ごし、その“リベンジ”として芸人になる方も多い印象です。しかしお二人は、真逆の充実した学生生活を送ってこられました。そういった嫉みや卑屈さとは無縁の過去が、どこかにゆとりも感じられる、自然体な芸風につながっていたりするのでしょうか。

矢作:実感はあんまりないですね。そもそも“お笑い”をそこまですごいこととも思ってないしな…(笑)。

小木:たしかに。というか、お笑いの自覚がない気がします。

矢作:「ダメだったら別にしょうがないでしょ」とも思ってますしね。だから、余裕があるように見えるんじゃないですか(笑)?

――なるほど。では最後の質問です。お2人は、“相方”という非常に密接な関わり合いを続けながら、30年以上変わらず良好な関係を維持しています。そんなお二人だからこそわかる「いくつになっても良好な関係でいられる秘訣」があればお聞かせください。

矢作:「良いところをずっと見ること」が大事だと思います。

小木:そうね。嫌なとこ見てたらどんどん関係が悪くなっちゃいますからね。

――とはいえ、長年コンビとして活動していると嫌なところも否応なく目に入ってしまうこともあるかと思います。

矢作:でもたとえば小木に悪いところがあったとしても、そんなに気にしないというか…。嫌なところは見ないかもしれないですね。

小木:ほんと、そんな感じなんですよね(笑)。夫婦でうまくやっていくのも似たようなもので、良いところはすごく細かく見て、悪いところは人それぞれ性格が違うからしょうがないと諦める。そんなふうに悪いところは、あまり気にしないようにすることが大事かなと思います。

文=こじへい

左から小木博明、矢作兼/※ザテレビジョン撮影