日経平均株価は円高・ドル安の影響を受け、上値が重い

2022年7月29日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比13円84銭安の2万7801円64銭となりました。

小幅ではありますが、3日ぶりの反落です。前日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、東京市場でも買いが先行しました。

ただし、外国為替市場で円相場が一時1ドル=132円台まで上昇したことから、自動車や機械など、輸出関連銘柄が売られました。

また、2022年7月28日、2022年7月29日ともに一時、心理的節目となる2万8000円を突破する場面もありましたが、利益確定の売りも出やすく、上値の重い展開となりました。

今週の動きはどうなるでしょうか。2022年7月29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比315ドル50セント高の3万2845ドル13セントとなりました。

6月上旬以来の高値圏となっています。

ハイテク株が多いナスダック総合株価指数も3日続伸しています。背景には、アップルなどの大手ハイテク企業の決算が好調なことが挙げられます。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。

ただし、為替相場の影響で振られることもありそうです。米連邦準備理事会(FRB)は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを実施しました。

市場では利上げペースが緩やかになるという見方が広がっています。このような状況を受けて、投資家はリスクオンの流れとなっており、米株は高値圏となっています。

むろん、景気後退懸念がなくなったわけではなく、インフレ傾向なども含めて楽観視できないところです。

新型コロナウイルス感染者数も世界的に増えています。中国では「ゼロコロナ」政策を進めており、経済活動が停滞しています。日本企業の業績にも影響が出そうです。

2022年8月1日には7月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が、5日には7月米雇用統計が発表されます。

景気後退が示されるような結果になると、売られる展開になるので注意が必要です。

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上値は重いが、200日移動平均線は維持

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週、200日移動平均線をローソク足の実体が超えたことから、先週はこれを維持できるかどうかがポイントでした。

実際には、200日線付近まで下落してはそこから持ち直すというような動きで、底堅さを感じさせました。

ただ、上値も重く、2万8000円を超えると売りに回る投資家が多かったようです。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。

チャートの形は悪くありません。これまで3月下旬、6月上旬と、いずれも200日線付近で上値を抑えられ、調整する流れでした。

しかし、今回は逆に200日線で下値を支えられたような形になっています。さらに、先週の値動きにより、25日線が75日線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されています。

今週以降、2万8000円を突破し、さらに2022年6月9日の高値(2万8389円)を超えてくることが期待されます。

そうなると、2022年3月25日の高値(2万8338円)も超えてくるので、売買が積みあがったところを超え、上値抵抗レジスタンスラインが下値サポートラインになります。

いくつかの節はあるものの、3万円台まで視野に入ってきます。まずは今週、心理的節目となる2万8000円および、2022年6月9日の高値を超えられるかどうかを注視したいところです。

ただし、逆に200日線を割り込むようだと、3月下旬、6月上旬と同じ流れになってしまいます。そうなると、再度2万5000円付近までの調整もあり得ます。