2022年6月、アメリカのニューヨークで、「駐車されている車の中に犬がいる」と、心配した市民からニューヨーク警察に通報がありました。

通報によると、その車はすでに2時間以上も駐車されていたのだそう。

車の窓は閉まったままで、エンジンはかかっておらず、車内のエアコンは付いていなかったようです。

すぐに現場へ向かった警官たちは、通報どおり、車内で苦しそうにしている犬を確認。

ためらうことなく車の窓を割って、犬を救出しました。

助け出された犬はしっぽを振って、とても喜んでいるよう。

近くにいた女性が水を差し出すと、犬はすぐに飲み始めました。よほどノドが渇いていたのでしょう。

この日の気温は30度近くあり、車内の温度はわずか10分ほどで約39度まで上がることも。これは犬にとって致命的な温度だそうです。

幸い犬は具合が悪そうには見えませんでしたが、念のため、動物病院に連れて行かれました。

車内に放置された犬の里親になったのは…

この出来事の数日後、犬の飼い主が動物虐待容疑で逮捕されました。

飼い主はこの犬を24時間以上、水も食べ物もない状態で車内に放置していたということです。

その後、犬は地元の動物保護施設で大切に世話をされていましたが、翌月、ニューヨーク警察がTwitterに犬の近況を投稿。

なんと、この犬を助け出した警官の1人であるマハラジさんが、犬の里親になったのです!

この報告には「犬の嬉しそうな表情がプライスレスだね」「マハラジさん、ありがとう」「素晴らしい家族ができてよかった」など、喜びの声が上がっています。

日中にエアコンが付いていない車内の温度は、想像以上の早さで上がります。

それにもかかわらず、アメリカでは毎年夏になると、車内に取り残されたペットが熱中症で命を落とすケースが後を絶たないといわれます。

「ほんの数分なら大丈夫だろう」という考えが、大切なペットの命を奪うかもしれないということを、知っておくべきでしょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
@NYPDnews@NYPD19Pct
@NYPDnews