画家、熊谷守一の旧宅跡地に建つ豊島区立 熊谷守一美術館で、同館のある池袋エリアにアトリエを構える画家・現代美術作家の松井えり菜が新作絵画作品を発表。ミニ展覧会『画家のおたく』を8月16日(火)より開催する。

変顔をした自画像や自身の分身ともいえるウーパールーパーをモチーフにした作品を制作する松井は、2004年に自画像エビチリ大好き》で「GEISAI ♯6」金賞を受賞。同作品はパリ・カルティエ現代美術財団のコレクションに収蔵され、これまで、カルティエ現代美術館(フランス)や大原美術館鹿児島県霧島アートの森など、国内外の美術館で作品を発表。精力的に活動を続けている。

約90年前、池袋には「池袋モンパルナス」と名付けられたアトリエ村が存在。松井は近年、そこからインスピレーションを受け、過去と現在の観念が混ざり合う作品を制作している。昨年、松井が在籍する芸術家ユニット「パルナソスの池」の作品公開制作イベントが熊谷守一美術館の近くで開催され、同館スタッフがそのイベントを見にいったことから交流がはじまり、今回展示を開催することとなったという。

同展では、生前に熊谷守一が45年間暮らし、制作を行っていた旧宅跡地に建つ熊谷守一美術館を舞台に、新作絵画作品を公開。守一や松井が実際に使用した画材や松井のおもちゃコレクション、お気に入りの雑貨なども展示される。

【アーティストステートメント】
かつて家族団らんがあった熊谷邸跡地に建つ特異な存在である熊谷守一美術館
本展では、家族をテーマにした新作絵画作品に加え、守一さんと私が実際に使用している画材やモチーフのおもちゃなど、私が思わず集めてしまう家族に似ている”何か”を展示いたします。

8月20日(土)、27日(土)に開催するワークショップは、名村大成堂さんの筆をモチーフに行います。同社は、かつて『池袋モンパルナス』と言われた地域の一部(雑司ヶ谷)に創業しました。
ここ数年で何種類もの天然毛を素材とした筆が動物保護条約等により使えなくなりました。ハブとマングースのショーでお馴染みだったマングースも世界的に保護が進められています。その一方で、奄美大島では外来種として殺処分されています。人間の介入によりバランスを崩した生態系はじわじわと私たちの生活に影響を及ぼしつつあります。
使える毛がどんどん少なくなっていく中で、いろいろな動物の毛を配合して理想のこしに近づける様子は、小さな筆の中に見たことのない動物を創り上げているように見えました。
それではその動物はどんな姿でしょう?想像して描いてみましょう!!!
身近なところから環境問題を考え、何気ない絵筆にも沢山の工夫が込められおり、大切に使ってみようという想いを込めています。

近隣作家によるミニ個展とワークショップ、どうぞお気軽にお立ち寄りください。

【開催概要】
松井えり菜meets豊島区立熊谷守一美術館 ミニ展覧会&ワークショップ『画家のおたく
会期:2022年8月16日(火)~2022年8月28日(日)
会場:豊島区立 熊谷守一美術館 3Fギャラリー
時間:10:30~17:30(入場は17:00まで)
休館日:8月22日(月)
料金:無料(常設展観覧の場合は一般500円)
公式サイト:http://kumagai-morikazu.jp/
※ワークショップは定員に達しました。 キャンセル等による空きが出た場合は、美術館公式Twitter アカウントhttps://twitter.com/kumagaimorikazu にてお知らせします

松井えり菜《パレットプラネット》