『子どもの才能を見つけて伸ばす』を軸に、子育て中の保護者や教育現場で働く方へ向けてキッズコーチングの講座を開催する一般財団法人日本キッズコーチング協会(本社:東京都中央区銀座、代表:竹内エリカ)は、ニュースレター第3回目として夏休みに意識したい子どもとの関わり方について配信します。
 「子どもが勉強をせずゲームばかりやっている」「生活リズムが崩れてしまう」など、夏休み中は親からの相談が非常に増える時期です。夏休みは普段よりも自由な時間が増える子どもも多くなります。しかし、自分をコントロールして計画的に過ごすのは大人でも難しいため、子どもたちは何をしたらよいかわからなくなってしまうことも意外と少なくありません。子どもによっては自由がストレスになることもある点を理解しておく必要があります。
 また、普段学校に通っている子どもが家にいると、目につくことも多くなります。時間を有意義に過ごしてほしいという親の想いから「勉強しなさい」と干渉してしまうケースもあるでしょう。ダラダラと過ごす子どもの姿に親がイライラし叱ることで、子どもの自己肯定感が下がり、結果的にやる気や学習意欲が失われ、さらに悪循環に陥ることもあります。


【親の関わり方が学力に与える影響】
子どもは「勉強しなさい」と言われると、勉強に対しネガティブなイメージを持ちやすくなります。また、指示されることに対し拒否反応を示すこともあります。つい使ってしまう言葉ですが、目的である子どもの学力向上と逆の効果を示すことにもなりかねません。まずは子どものやる気や意欲を伸ばしてあげる必要があります。そのために重要となるのが、自己肯定感です。
最近よく耳にする自己肯定感とは、自分の存在を肯定できることを指します。自己肯定感が高いと主体的、意欲的に行動できるとされており、自立して自分の人生を生きることにつながります。現在は学力重視の社会から、個性や問題解決能力、臨機応変に対応する力などが求められる社会へと変わってきています。従来通り学力だけを高めても社会では通用しなくなりつつあるという背景を踏まえ、自己肯定感を高める子育てや教育を重視することが今後さらに重要となるでしょう。

【自己肯定感は国民性にもよる】

▲「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」(内閣府
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h30/pdf-index.html)を加工して作成

内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)」(※2)によると、日本の若者は諸外国に比べ自己肯定感が低いと提示されていますが、謙虚さや自己主張をしないといった日本人特有の国民性も影響しており、実際の自己肯定感は数値ほど低くないのではと考えています。もともと欧米は狩猟民族で、勝負に勝たなければ生きられない環境におかれてきました。それに対して農耕民族の日本は、争いを必要としない環境にありました。また、海外では他民族との交流が多くあるため、みんな違って当たり前という前提条件があります。島国の日本は単一民族国家で、みんな同じが当たり前として長らく生きてきました。そうした背景の違いも、意識の違いにつながっています。
やり抜く力や信念の強さは、日本人の秀でているところです。しかし、自分で考えて意見を発信する習慣が備わっていないため、その点が諸外国と比べて劣っています。国際社会である現在、自分の意見を考えて発信する力はこれまで以上に重視されるため、日本の教育でも取り入れていく必要があると考えます。今後さらにグローバル時代に突入するなか、より力を入れていきたいのは、“発言力”や“自己主張”の土台となる自己肯定感を育てることです。家庭での声のかけ方によっても、自己肯定感は左右します。
(※2) 出典:内閣府ホームページ (https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h30/pdf-index.html

【学力向上と自己肯定感の関係性】
自己肯定感は数値では測れない非認知能力のひとつです。それに対し、学力は成績やテストの点数で測ることのできる認知能力であり、自己肯定感の高さと学力の高さは直接比例するものではありませんが、そもそものやる気や意欲がなければ、学力向上にはつながりません。子どものやる気を引き出すという意味では、学力と自己肯定感は密接な関係にあります。
勉強を頑張り、成果が出て、達成感を味わうという流れは、本来自己肯定感を高めるはずです。「学びの入り口は好奇心」と言われるように、そもそも子どもには本能的に学ぶ欲求があります。意欲を応援してあげる環境が整っていれば、良い循環が生まれ自己肯定感は上がっていきます。
反対に、自分に目的意識がないのにやらされることに関しては、やる気が持てないため結果が出ません。「このくらい勉強しないと合格できないよ」という現状を伝え、本人が「夏休みは遊びを極力我慢して勉強に集中した方がいい」という意欲を示したのであれば、それは本人の目的になります。反対に、「将来的にいい学校に入るために、普段の遅れを取り戻してもらいたい」という目的で勉強に注力させるのは、本人ではなく親の目的であり、子どもは意欲を見いだせません。夏休みに遊びよりも勉強に重きを置く場合、お互いの意思を確認したうえ、目的をはっきりさせる必要があります。

【自己肯定感でやる気を伸ばす|夏休みに意識したいかかわり方とは】
『かきくけこ』で実践しよう
学力は“覚える力”と混同されていますが、正確には“理解する力”と“考える力”です。現在は実体験をベースに学ぶストリートスマートな生き方が重視されており、子どもが将来自立して生活していくためには、考える力をつけることが必要不可欠です。考える力を伸ばすための土台となるのは、以下の5つ。
か…考える
き…企画する
く…工夫する
け…計画する
こ…行動する
『かきくけこ』を意識して夏休みを過ごすと、学力向上につながります。「見る」「聞く」「触る」「匂う」「味わう」といった五感を使うと学習効果はさらに向上するため、実体験と併せて学ぶことができればさらに効果的です。
実際に見たり感じたりと五感を使った体験は右脳にインプットされるため記憶に残りやすい傾向にあります。それに対し暗記するのは左脳を使うため、覚えたとしても忘れやすくなります。時間のある夏休みには、図鑑で見たものを実際に見に行き観察するなど右脳を動かすよい機会です。小さいうちに“理解する力”と“考える力”をつけておくことで、効率良く勉強ができるようになります。

夏休み期間を網羅する目標を作る
冒頭でも解説しましたが、自由な時間が多いと子どもにとってストレスになることもあるため、ある程度計画的に過ごした方がよいでしょう。子どもが集中することがなくなる状態を避けるため、何かに集中できる時間を設ける必要があります。例えば夏休みの期間で達成したい目標を立て、集中できる時間を確保すると、精神的な安定にもつながります。「縄跳びができるようになる」「毎朝早起きする」といった小さな目標でも構いません。自由研究などに結びつく目標であれば、宿題にもつながり一石二鳥です。

小さな成長を認め、他人と比べない
子どもの意欲を削がないためには、小さな成長を認める習慣が大切です。「1+1=2」になることが理解できた、漢字をひとつ覚えたなど、成長した点は生活の中でたくさん見つけることができます。結果ではなく過程を認めるようにすればやる気にもつながり、子どもは成長します。
子どもに教えたいのは、いろいろな価値観があってよいということです。親が多様な価値観を認める態度を示しておくことで、子どもの視野が広がります。そのままの自分でよいと理解できれば自己肯定感も高まります。「○○さんは宿題もう終わったんだって」というように、人と比べて子どもを下げるような発言は、自己肯定感を下げる原因になります。

気質タイプごとに対策する
キッズコーチングでは気質タイプごとに、子どものやる気を引き出す方法は異なると考えます。気質に合わせた声かけをすることでも、やる気を引き出すことが可能です。夏休みの宿題に関するアプローチも、タイプにより違いがあります。

〈テキストタイプ、デリケートタイプ、ネガティブタイプのお子さん〉
この3つのタイプは規則性を持ちコツコツ努力することに長けています。宿題にとりかかる前に一緒に計画を立てると、それに沿って勉強を進めることができます。ただし、自由研究など、自分で考えて形にするクリエイティブな課題が苦手な傾向にあります。夏休みの予定に沿ったテーマや、興味のありそうなテーマをいくつか提案してあげるとよいでしょう。

エンジェルタイプ、アクティブタイプのお子さん〉
気分に波があり、計画通りに進めるのが苦手です。細かな予定を立てるのではなく、あとで調整ができるように予定を立てます。エンジェルタイプやアクティブタイプは好奇心の塊です。虫をつかまえて観察する、料理をするなど、普段から小さな研究や物作りが好きな子どもが多いため、自由研究などの題材選びは順調に進む傾向にあります。ただし、それをわかりやすくまとめるという行為は苦手な傾向にあるため、親の手助けが必要です。

【子どもが伸びる夏休みにしよう】
 親子の時間が確保しやすい夏休みは、自己肯定感を高める絶好の機会です。勉強ばかりさせるのではなく、実際の体験の積み重ねを意識することで、座学だけでは育たない子どもの学習意欲を育てることにもなります。自己肯定感を育むことにもつながり、勉強にも自発的に向き合えるというよい循環につながります。自己肯定感ややる気を伸ばす親子の関わり方を意識して、充実した夏休みにしてください。

自分の子どもの気質を知ろう 5つの気質を紹介
人にはいろいろな個性があり、繊細、まじめ、衝動的など、子どもによりそれぞれ違った特性を持っています。当協会では、子どものタイプを5つに分け、タイプ別にその子に寄り添い、才能を見つけて開花するように導くことをベースに指導をしています。




キッズコーチングの5つの気質>(※3)
生まれながらに持つ特性(気質)を理解し、それぞれに合わせた育て方により才能を伸ばすことがキャラクターコーチングの目的です。子どもの特徴的な問題行動の改善にも役立てることができます。 (※3)気質について https://www.youtube.com/watch?v=LwgKwEGko2k
日本キッズコーチング協会とは
お父さん・お母さんが育児を充実したものにするために、また先生と呼ばれる仕事をしている方、育児支援・運動支援に携わる方のために、乳幼児・児童を対象にした指導法・キッズコーチング資格の監修・認定を行う団体です。
理事長竹内エリカ プロフィール
幼児教育者であり2児の母。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。20年にわたり大学機関にて子どもの発達心理や行動科学について研究し、延べ20,000人もの親子と関わる。スポーツコーチングにも携わり、ダンス指導では生徒を日本一に導いた経験を持つ。育児関連商品・知育玩具などの監修をはじめ、発達支援では多動症・不登校の克服からギフテッドと呼ばれる子ども達のケアまで育児・教育の専門家として活動。著書『男の子の一生を決める0~6歳までの育て方』他、出版・監修した書籍は60冊以上。

協会概要
一般財団法人日本キッズコーチング協会
本社:〒104-0061 東京都中央区銀座1-3-3 G1ビル7F 246号
電話番号:03-5843-9273
代表:竹内 エリカ
設立:2010年7月
事業内容:(1)子ども育成支援に関する民間資格の創設、同資格付与の実施並びに同資格付与に至るまでの教育事業
(2)前号の資格の付与を受けた者の活動支援
(3)各種講座、セミナーその他イベントの企画、開催及び運営
(4)書籍、雑誌その他の印刷物の企画、編集、制作及び販売
(5)子ども育成支援に関する研究並びに啓蒙活動
(6)その他当法人の目的を達成するために必要な一切の事業


配信元企業:一般財団法人日本キッズコーチング協会

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