8月5日開幕の舞台「漆黒天 -始の語り-」公開ゲネプロが、東京・サンシャイン劇場で開催された。(以下、ネタバレを含む場合があります)

【動画】舞台『漆黒天 -始の語り-』ゲネプロ 荒木宏文らが鬼気迫る殺陣を披露

■映画と舞台が連動する「東映ムビ×ステ」第3弾

本作は、東映が2019年にスタートさせた映画と演劇のメディアミックスシリーズ「東映ムビ×ステ」第3弾。6月に劇場公開された映画「漆黒天 -終の語り-」の前日譚として、主演の荒木宏文が「人を活かす剣」の在り方を求める剣術道場の師範・宇内陽之介と、江戸の町を騒がせるごろつき集団「日陰党」首領・旭太郎の2役を演じる。

冒頭で陽之介と旭太郎が同じ顔をしている理由が明かされ、彼らの「日なた」と「日陰」を歩んできた人生が対比されながら描かれる。やがて2人の運命が交わり、逃れられない結末へと向かっていく。映像演出はなく、シンプルなセットで演者たちが言葉を紡ぎ、スピード感あふれる圧巻の殺陣を繰り広げる。

一人二役を演じ切る荒木に加え、兄の敵討ちのため陽之介に弟子入りを志願する邑麻二郎太(松田凌)・三郎太(長妻怜央)兄弟、陽之介を支える聡明な妻・富士(小島藤子)、日陰党で旭太郎に心酔する千明伽羅(橋本祥平)など、周囲の人々も魅力的だ。陽之介に対して特別な感情を抱く心友の嘉田蔵近(梅津瑞樹)と、蔵近を誘惑し彼に興味を持つ陰間・真嶌千蛇(加藤大悟)の戦いや、与力・玖良間士道(鈴木裕樹)と、過去に因縁を持つ座頭の來(安田桃太郎)、二郎太・三郎太兄弟と、兄の仇である日陰党の須万蒿雀(松本寛也)の戦いも印象的だった。

作・演出は「舞台 刀剣乱舞」シリーズや「TRUMP」シリーズで知られる末満健一。上演時間は約2時間15分(休憩なし)。舞台「漆黒天 -始の語り-」は、東京公演がサンシャイン劇場にて8月5日(金)から21日(日)まで、大阪公演が梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて8月31日(水)から9月4日(日)まで上演される。

■主演:荒木宏文コメント

開幕を迎える事が容易ではないこの時勢に今日を迎えられる事をとても幸せに思います。

常日頃から毎公演初日であり千秋楽の意識で行っていましたが、実際にこのカンパニー、このキャストで出来るのがこの一公演のみになるかもしれない状況に置かれ、より一層その想いは強くなりました。

誠心誠意、最高の公演を許される限り届け続けて参ります。

宜しくお願い申し上げます。

荒木宏文

日陰党首領・旭太郎(荒木宏文)/※提供写真