コロナ感染が明らかになったばかりのソフトバンク千賀滉大投手(29)の周囲がにわかに騒がしくなってきた。

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 「MLBネットワーク」の看板記者でメジャー球界に精通しているジョン・モロシ氏が自身のツイッターで、このオフに千賀がメジャー移籍をする可能性が高いとつぶやいたのだ。

 順当なら今季千賀は海外FA権を取得予定。昨オフに5年の長期契約を球団と結んでいるが、海外挑戦時にはオプトアウト(契約破棄)できる条項も含まれているという。

 今や日本球界のエースともなった剛腕が海を渡る可能性が出てきた。以前からメジャー挑戦希望を明かしてきた千賀。過去には最多勝最優秀防御率など投手タイトルを総なめ。今季は5月の日本ハム戦で自己最速となる164キロをマークするなど、剛速球と落差のある「お化けフォーク」が持ち味。緩急をつけたピッチングで打者を手玉に取ってきた。

 メジャーでは早速「センガはクローザー向き」の声も上がるなど、様々な期待の声が上がり始めている。

 一方、痛いのはソフトバンクだろう。エースの流出は本人の権利取得にからんで仕方がないこととはいえ「千賀以降」が育っていない現状がある。「育成の星」として、6年連続で2桁勝利をあげるなどチームを支え続けてきた絶対エースが抜けることでチームに与える影響は計り知れない。

 昨年は4位と8年ぶりにBクラスに沈んだ。常勝軍団復活を掲げて、藤本新体制で臨んだシーズンだが、ここまで苦戦を強いられている。最近では千賀のコロナ感染、主力のグラシアルも座骨痛のため登録抹消。「痛いなんてもんじゃない」と指揮官も頭を抱える。

 世代交代を進めるという至上命題もありながら「藤本監督はこれまでファームの監督を務めるなど、若手の底上げを期待されて昇格しましたが、期待株のリチャードなども思ったように伸びていません。主力の故障も重なり厳しい状況です」(放送関係者)

 チームはV奪回を目指し、首位の西武を3ゲーム差で追うなど、混パの真っ只中にある。千賀はコロナ陽性となったことで、回復までに時間も必要。海外FA権を無事、取得できるかも含め、その動向に今後も注目が高まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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