楽天西川遥輝外野手(30)が懲罰交代させられた。4回までに10-0と大量リードした4日ロッテ戦。問題の場面は、5回の守備で起きた。ロッテ岡が放った左中間への打球を左翼・西川は全力で追いかけず、三塁打にした。続く犠飛で1点を失い、その裏の打席で西川は代打を送られた。

【関連記事】楽天・西川の「懲罰交代」が真喜志代行の「ファインプレー」といわれる理由とは


 新型コロナウイルスに感染した石井一久監督に代わり、楽天の指揮をとる真喜志康永・監督代行は、西川のプレーを許さなかった。

 「(その前の守備で)フェンスにぶつかって、どこか痛いかもわからんけど、あんな追い方されると見てる方も気分悪くなるので、代えました。(試合に)出ている以上は見ている人が納得するプレーをしてもらわないと。ベンチにいる人も『なに』ってなっても困るのでそういうところです」と説明。実績あるベテランにも、特別扱いしなかった。

 状況的には大差が開き、西川自身も本塁打を放っており、気が緩みやすい条件ではあった。だが足のある西川が左翼を守れば、よほどのことがない限り、長打が三塁打になることはない。手を抜いて走っているのは、誰の目にも明らか。チームの士気に関わるだけに、交代させられて当然だった。

 昨季まで西川が所属した日本ハムのファンからは、落胆の声が多かった。SNSには「また悪い癖が出た」「怠慢プレーは球団が変わっても直らない」「人は急には変われないんだな」といった厳しい内容。ファンからすれば、軽率なプレー日本ハム時代からの「悪癖」だったようだ。

 日本ハム盗塁王を4度獲得した西川は昨年オフ、聞き慣れない「ノンテンダー」という形で退団。主力として長年貢献した功労者を、事実上の戦力外にした日本ハムのドライな経営戦略は、球界で波紋を呼んだ。西川の打撃不振と高年俸が放出の主な理由とみられていた。だがリーダーシップを期待する選手の緩慢プレーが、若手主体のチームに悪影響を及ぼすことを日本ハムが何よりも問題視していたとしたら…話は違ってくる。

 移籍先に苦労し、新天地が今年から楽天に決まった西川はリベンジに燃えていたはずだ。3、4月は月間MVPを受賞する活躍でチームを貯金18の首位へと押し上げたが、5月以降は打撃不振に。打率は2割台前半まで落ち、チームも勝率5割付近まで順位を下げた。

 チームの苦境でこそ、誰よりも必死さを見せないといけない立場にいながら、集中力を欠いた守備は西川の失態だった。「ノンテンダー」で受けた屈辱を、もう忘れてしまったのか? 信頼を取り戻すには、西川が今後どうするかにかかっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

楽天西川がまた失態…「ノンテンダー」で戦力外にした日本ハムの経営判断は正しかったのか?