東名・新東名中央道でそれぞれ東京~名古屋を移動すると、どのような違いがあるでしょうか。所要時間のうえではその差が広がっているようです。東名や中央道をあえて選ぶメリットはあるでしょうか。

新東名がさらに“早く”なった

2022年のお盆も高速道路では激しい渋滞が予想されています。東京~名古屋など広域の移動をする人も多いことでしょう。では、東京~名古屋東名高速新東名高速中央道経由でどれくらい違うでしょうか。実はその“差”が拡大しているようです。

東京側の起点を霞ヶ関(首都高)、名古屋側の終点を名古屋IC(東名)としてNEXCO検索エンジンで比較したところ、次のような結果になりました。なお、新東名経由は御殿場JCT~豊田東JCT間を、中央道経由は高井戸~小牧JCT間を経由するもので、普通車ETC料金を掲載しています(首都高霞ヶ関入口は2022年4月からETC専用)。

新東名経由:328.3km、3時間15分、7930円
・東名経由:339.2km、3時間45分、7930円
中央道経由:373km、4時間46分、7950円

新東名経由と東名経由はほぼ10kmの差ながら、所要時間は東名経由が30分増。中央道経由は、新東名経由と比べ48km増、所要時間では1時間半もの違いがあります。

もともと新東名は線形がよく早いルートでしたが、2020年12月に静岡県内およそ145kmが6車線化され、最高速度120km/hの本格運用も開始されました。東名は最高速度100km/hのままなので、以前より所要時間の差が開いているといえます。

中央道に至っては、カーブやアップダウンの多い線形ゆえにほとんどの区間で最高速度が80km/h(一部70km/h)に抑えられていることから、新東名スペックにはかないません。

現在は圏央道のほか、東富士ルート(中央道富士吉田線東富士五湖道路~須走バイパス)、中部横断道といった中央道と東名・新東名を結ぶ南北路線も整備されました。八王子や甲府などから中央道へ乗ったとしても、それらを使って新東名へ出るルートの方が、小牧まで乗り通すより早くなっています。

東名・中央道派の選ぶ理由とは

それでも東名や中央道をあえて選ぶ人もいます。乗りものニュースで以前、東京~名古屋の移動で東名・新東名中央道のどれを選ぶかアンケートをとったところ、789人のうち14.4%が東名、9.6%が中央道と回答しています。

東名を選ぶ理由としては、「景観がよい」が半数以上を占めました。そのほか、「比較的すいている」「無理な走行をする車が比較的少ない」「SA・PAの間隔が短い」といった意見も。

中央道を選ぶ理由としては、「比較的すいている」が最多で50%。次いで「景観が良い」という意見が多く集まりました。「大型車が少ない」「全体的にスピードが落ち着いているので走りやすい」といった意見もあります。

また、双方でほぼ同じくらい回答があったのが「カーブや勾配が適度にあり走るのが楽しい」という意見です。逆に新東名は「カーブや勾配が緩く走りやすい」から選ぶという人が7割以上を占めました。ここから、新東名の単調なドライブを避け、あえて東名や中央道を選んでいる人が一定数いることがうかがえます。

東名・新東名中央道に、これらを連絡する南北ルート3本が開通したことで、ルートの選択肢は飛躍的に広がりました。目的地と状況に応じてルートを選びたいものです。

静岡区間が6車線化され、最高120km/hになった新東名(画像:NEXCO中日本)。