今年も本格的な夏が到来し、暑い日が続いていますよね。

そんな暑いこの時期に気をつけたいことの一つといえば、熱中症です。

例年、この熱中症によって多くの方が体調を崩しがちです。また最近は猛暑の日も増えているとあって、特に注意が必要です。

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 重症化を避けるためにも、普段から対策をすることや、熱中症に至るまでの、サインについて知識を持っておく必要があるでしょう。

今日は、福岡県みやま市工藤内科の院長・工藤孝文先生のYouTubeチャンネルより、意外と知られていない熱中症の症状についてご紹介します。

工藤先生いわく、熱中症を患った際、まずはじめに起きるのが、「めまい・立ちくらみ」だといいます。

「脱水なので、どちらかというと貧血に症状は近いかもしれません。目の前がクラっとなるような俗にいう脳貧血だったり、トイレや入浴の後に立ち上がった際に立ちくらみが起こるような、起立性低血圧など。他に筋肉痛もそうですが、そういった場合は熱中症の黄色信号だと思ってください」

とはいえ、こういった症状は、人によって普段からなりやすい、と言った場合もあり、病院にいくほどではないといったこともあるでしょう。

ですが、こういった症状を放置して熱中症時の対応をしないと、今度は頭痛や吐き気に見舞われてしまうといいます。

「これらの症状を放置すると、次にやってくるのが、意識障害です。声をかけても反応がないとか、そういったことですね。あとは痙攣も起きます。なので、

第一段階:めまい・立ちくらみ
第二段階:頭痛・吐き気
第三段階:意識障害・痙攣

これらをまず頭の中に入れておいて欲しいです」

では、実際これらの症状の中で、どの段階で病院にいったら良いのでしょうか。

「頭痛・吐き気の症状が出てきたら病院を受診して欲しいです。なぜなら、頭痛や嘔吐ともなると、なかなか食べられなくなります。なので、点滴で栄養をいれていく必要があるんです」

病院へいく前の応急処置法

 ここまで熱中症の症状についてお話をしてきましたが、場合によっては急にこれらの症状を引き起こしてしまい、応急処置が必要なケースもあるかと思います。

これに関しても、工藤先生は、対応方法について、このように話をしています。

「まずは水分とミネラルの摂取、そして高体温であれば太い血管を増やすことですね。主に首の頸動脈と、脇です。ここに凍らせたペットボトルをおいておくだけでも冷えてきます。他にも、足の付け根にも太い血管が通っていますので、そこを冷やすだけでも、熱中症の改善がみられるかと思います」

暑いこの時期には、これらの知識や対策を頭に入れておき、万が一の際でも落ちついて対応できるようにしておくと良いかと思います。

工藤先生のYouTubeチャンネルではこの他にも、年齢層別の熱中症についてや、飲料水の飲み分けについてもご紹介しています。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

工藤孝文医師

工藤 孝文(くどう・たかふみ)

福岡大学医学部卒業後、アイルランドオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。

「え?それも!?」意外と知られていない熱中症の初期症状とは