東京メトロ東京大学生産技術研究所が「鉄道ワークショップ2022」を開催。事前募集で選ばれた中高生計50人が参加し、鉄道信号機の仕組みを学びました。あわせて、身近な装置の体験も行われました。

ある程度想像はついていても…

東京メトロ東京大学生産技術研究所は2022年8月3日(水)、東京メトロの総合研修訓練センター(東京都江東区)などで、中高生を対象に「鉄道ワークショップ2022」を開催しました。

この日のテーマは鉄道信号機を中心としたものでしたが、その最後で行われたのが、より身近な装置の体験。駅のホームでは必ず目にする列車非常停止ボタンの操作です。

これを操作するとどうなるか――実際の駅でボタンを押して良いのは、線路内に人が転落した時など非常時のみ。いうまでもありませんが、いたずらで押せば罰せられます。今回はその模擬体験です。

赤いボタンを強く押すと、けたたましいサイレンが鳴り響きました。同時に、頭上にある信号機が赤く点滅。異常事態発生を周囲に知らせます。実際には、付近を走る列車が緊急停止し、安全確認ができるまで警報は発せられ続けます。これを解除できるのは、資格を持った駅員のみです。

最近、線路内への落とし物という理由だけで列車非常停止ボタンが押され、列車が止まったことが大きく報じられました。この一件は中高生らにも衝撃を持って伝わっていたようで、ボタンを前にしてすぐ話題にあがりました。体験とはいえ、いざ押そうとするとドキドキもの。皆おそるおそる押します。そこからは、普段触れない装置だからこそ、その本当の意味を身をもって感じている様子がうかがえました。

駅にある、列車非常停止ボタンの位置を知らせる案内(画像:写真AC)。