自然と海を愛する人に朗報だ。世界最大のサンゴ礁地帯である、オーストラリアのグレートバリアリーフの3分の2の地域で、岩礁をおおうサンゴ(珊瑚)の割合が過去36年で最大に達したそうだ。
このところの気候変動による海水温の上昇で、サンゴは大打撃を受けている。広範囲で白化が進み、海中の生態系から生命と彩りが失われていた。
それでもきちんと保護すれば、多種多様な海の生物を育むリーフ中央部と北部で回復の兆しが見られ、また元に戻るかもしれないという勇気づけられるような報告をオーストラリア海洋科学研究所(AIMS)が発表した。
オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)の報告書によると、生きているサンゴ(ハードコーラル)が岩礁をおおう割合(被度)は、グレートバリアリーフの中央で33%、北部で36%に達していたという。
これは36年前にAIMSがモニタリングを開始して以来最大であるそうだ。
この結果はとても重要だ。サンゴにはまだ元気があり、適切に保護すればしっかり回復してくれるだろうことを示唆しているからだ。
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天敵、オニヒトデの大量発生には要注意
だが手放しで喜ぶわけにはいかない。グレートバリアリーフ南部ではサンゴを食べるオニヒトデが大発生しており、昨年よりも被度が減少しているからだ。
また回復が見られた地域でも、サンゴの状態が良好というわけではない。以前よりはマシになったという程度なのだ。
AIMSの代表者であるポール・ハーディスティ博士は、北部と中央部の状況はグレートバリアリーフにまだ回復する力が残されている可能性を示す一方、南部はリーフがいかに変化しやすいものか伝えてもいると説明する。
2020~21年度に南部で記録された回復の3分の1は、オニヒトデの大量発生によって失われてしまった。
このことはグレートバリアリーフがますます増加する急激な撹乱(かくらん:生態系を乱すこと)に対していかに弱いか示している
せっかく回復したサンゴも、こうした撹乱によってまた失われてしまう可能性が否めないとのことだ。
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それでも、いいニュースであることには違いない。保護活動に尽力している人々を称えながら、サンゴたちの完全回復を祈ろう
References:Highest coral cover in central, northern Reef in 36 years / written by hiroching / edited by / parumo
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