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 本当に怖いのは植物説を裏付けるかのような恐ろしい樹木が存在する。樹皮からとがったトゲが無数に突き出しており触れただけで怪我をする。樹液は猛毒、さらには時速240kmもの速さで爆弾のごとく果実が破裂し種を飛ばすのだ。

 近づくだけで危険極まりないこの木は「ダイナマイトツリー」の異名を持つ、熱帯アメリカ原産のトウダイグサ科フラ属に分類されるスナバコノキである。

【画像】 ハイスペック、オーバーキルなスナバコノキ

 「ダイナマイトツリー」の異名を持つスナバコノキ(The sandbox tree)は、オーバーキルスキルを持つ脅威の樹木だ。

 正式名のスナバコ(sandbox)の由来は、インクの吸い取り紙が珍しかった時代、1800年代半ばまであった果実の利用法に由来する。

 当時はペンのインクが紙ににじんで広がると、紙に細かい砂を撒きインクを吸い取っていた。そのため机上に砂を入れた器を置くのが一般的だったそうだ。

 それにうってつけだったのが小さなカボチャみたいなスナバコノキの果実で、砂の入れ物に加工され使われていたことからスナバコという名がついたのだという。

Hura crepitans (fruit)

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最高時速240km。ダイナマイトのごとく爆発し猛毒の種を飛ばす

 だが木に実ったままの果実には近づかないほうがいい。場合によってはいきなりはじける可能性があるからだ。

 なんとこの実は熟すと最高時速240kmものスピードで四方八方にはじけ飛ぶため、その場にいた人や動物が怪我を負う恐れがある。

 ただ幸いなことに果実爆弾の破裂はある程度予測できる。ダイナマイトと称される実の爆発に必要なのは日中の暑さや乾燥で、夜間や湿度が高い時ならまず起きない。

 一方、高温で64%以上の水分を失い乾燥すると、その実が15または16個のかけらに分かれて激しく飛散し、およそ2cmほどの種を吹き飛ばす。その飛距離は45mもあるという。

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 スナバコノキとしてはできるだけ遠くに種を飛ばしたいだけかもしれないが、その爆発はシードグレネードといわれるほどすさまじいものなのだ。

樹皮全体に長さ2.5cmのトゲがびっしり

 スナバコノキは見ての通り、樹皮もまた敵意むき出しのおそろしい仕様になっている。

 サルも登れない(the monkey no-climb)とはよく言ったもので、上から下までまんべんなくびっしりついた鋭いトゲには植物の域を超えた執念すら感じる。

 個々のトゲの長さはおよそ2.5cm。まるで「中世の拷問装置」なんて声もあったりして、とにかく近づく者に傷を負わせる工夫にしか見えない。

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奥の手は毒矢にも使われた自前の毒

 すでにフルスペックなスナバコノキだが実はまだ奥の手がある。たとえ果実爆弾や樹皮のトゲが無効でも自前の毒をお見舞いできるのだ。

 猛毒成分をたっぷり含む果実を食べた者は激しいけいれんや嘔吐、下痢で相当なダメージをくらう。樹液が目に入れば一時的に目も見えなくなり、皮膚につけば発疹を引き起こす。

 かつての先住民族はこの樹液を狩りや戦いに利用していたほどだ。矢の先に樹液を浸して毒矢にしていたのだ。

 ただ一部には薬効があるとされ、胃の不調や湿疹、関節リウマチ、腸の寄生虫の治療に良いという噂もあるがそれを裏付ける根拠はとくにないらしい。

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東アフリカではすでに侵略的植物に

 爆発的かつ効率の良い種子の散布方法といい、世界征服をもくろんでいるかのようなスナバコノキ。

 そんな展開はフィクションだけにしてほしいとこだが、実はこの木、一部では実際に脅威になってるそうだ。

 現在、東アフリカではスナバコノキが侵略的植物とみなされている。木陰を作るために植えたスナバコノキがどんどん繁殖しているもよう。

 「世界で最も危険な樹」としてギネス記録を保持するマンチニールほどとまではいかないが、やるならやってみろ。やってやんよ!の戦闘態勢がすごすぎやしないか?

Dynamite Tree: The Tree That’s Doing Everything It Can To Kill You

 音もたてずにゆっくりと、だがあの手この手で着実に同胞を増やそうとする植物が最恐だってこと改めて思い知らされた気分だよ。

References:upworthy / wikipediaなど /written by D/ edited by parumo

 
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猛毒の果実が爆速で破裂する、世にも恐ろしい樹木「ダイナマイトツリー」