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社会人になってからも、何かと遭遇するのが「あの人はxx大卒」といった卒業大学の話。いい大学に行った人は、やっぱり仕事でも優秀なのだろうか? 実力社会・優秀な人材が集うイメージのある「外資系コンサル」の世界を見れば、実際のところがわかるかもしれない。外資系コンサルでブロガーの「外資系うさぎのちょこさん」に、業界の実態を語ってもらった。

アクセンチュア、デロイト、ベイカレント……大手コンサルファームの学歴事情は?

皆さん、コンサル業界で働く人たちについてどんなイメージを持っていますか? 就活生向け社員紹介ページや会社説明会なんかを見ていると、やたらキラッキラの若手社員がたくさん出てきたりしてます。だから、東大・京大は当たり前、海外MBA取得も珍しくない、とても高学歴な集団…そんな感じに思っちゃったりしてませんか?

そういう絵に描いたような The一流キャリア…、みたいなコンサルもちゃんといることにはいるものの、全体を見ると別にみんながみんなそうじゃないよっていう感じなんですよ、実際のところって。というわけで今回はアクセンチュアやデロイト、ベイカレントと言った大手総合系コンサルファームの学歴事情についてお話していきたいと思います。

そもそも採用数が増えている。

ここ数年、大手総合系コンサルファームは各社とも、ものすごい勢いで採用数を増やしています。有名大学のサイトで卒業生進路データを眺めてみると、そうした会社が主要就職先としてリストアップされています。

早稲田や慶応は言わずもがなで大手コンサル各社、MARCHクラスはBig4など満遍なく(コンサルだけでなく監査法人への就職も多いですね)、日東駒専でもアクセンチュアやアビームなどITに強みをもつファームに、卒業生が就職しています。

そんなわけで、「総合系コンサルファームへの就職」という面では、きっと皆さんが思っているより採用される裾野が広がっています(※戦略ファームになると流石に話が変わってきます)。

ちょこさんの身の回りでも、ボリュームゾーンはやっぱり早稲田や慶應あたりだなぁって感じではあります。しかし、日東駒専や地方国公立など、ちょっと前だったらあまりコンサルファームへ就職するイメージが強くなかった大学出身の新卒コンサルタントを見かけることも少なくないな、って思います。

難関大卒じゃない人も活躍できてる?

ぶっちゃけたことを言えば、難関大の出身者は、その頭の回転の早さや事務処理能力の高さから、プロジェクトの現場でもパフォーマンスが高い傾向にあります。デキる若手コンサルタントだなと思ったら東大卒だった、なんてことも結構あります。

でも、難関大卒じゃない人のパフォーマンスが悪いのか、と言われるとそれは別にそんなこともありません。

そもそも、コンサルファームの面接では、フェルミ推定やケーススタディなど、いわゆる地頭力を問うような選考が行われます。そこで見事内定を獲得できた学生は、論理的思考力やプレゼン力が一定以上のレベルで備わっていると考えられます。

少数精鋭の局地戦から、大規模な組織戦へ

さて、ちょこさんとしては「卒業大学名とパフォーマンスが直結しない理由」は、他にもあると考えています。その一つが、総合コンサルファームのビジネスモデルが変わってきたから、という理由です。

かつては、頭脳明晰で超優秀なコンサルタントが、少数精鋭でクライアント企業の経営戦略を練っていく、なんていうスタイルが主流でした。

そういった「戦略案件」は、今でもちゃんとあります。しかし、それ以上に、実行支援をメインとした業務/IT系が増え、比重も高まってきています。

そうした数多くの実行支援系案件に対応するためには、裾野を広げ、そこそこ優秀なコンサルタントを大量に採用する必要があります。その結果としての、昨今の大手総合系ファームの採用拡大なんですよね。

さて、「そこそこの人を大量採用」なんてしたら、総合系ファームのサービス品質が下がってしまうのでは? という懸念はあると思います。しかし、ちょこさんは決してそんなことはないと考えています。

それは、VUCAと言われる今の時代、コンサルファームがより高いバリューを発揮できるのは、大規模な「組織戦」だと考えているからです。

小規模な「局地戦」では、個々人の地頭の良さをフル活用するのが求められます。逆に、大規模な「組織戦」で求められるのは、海外事例なども含むファーム全体のナレッジを集約しソリューションに落とし込むことです。

そのような環境においては、最新のテクノロジーや各業界のビジネスモデルに詳しいスペシャリストと、形ある成果物(業務プロセスや動くシステム)を着実にデリバリーしきるための十分なコンサルスキルを有したゼネラリスト、その両方が必要です。しかもそのゼネラリスト、結構な人数が必要なんですよ……。

というわけで、コンサルタントになるには、高学歴で一芸に秀でていればもちろん良いのですが、そうでなくとも活躍の余地はたくさんありますよ、というお話でした。出身校で諦めるのは、時期尚早かもしれないですよ!

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外資系うさぎのちょこさん
職業:プロの転職家、外資系渡り兎。現在は某グローバル総合系コンサルファームのシニアマネージャ。 コンサル業界ネタを中心に、若手ビジネスパーソン、就活生、転職活動中の各位向けの有益な情報を呟いたり有益なnoteを書いたりしています。フォローすると有益になれます。

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