ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの人気キャラキターで、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)イチの愛されキャラでもあるグルートが主役を務める、マーベル・スタジオの新作「アイ・アム・グルート」。8月10日遠藤憲一が再び主人公であるベビー・グルートの日本版声優を務めていることが発表され、日本のMCUファンを中心に安堵(あんど)の声も聞かれた。これを機に、これまでの“グルート”の活躍ぶりをまとめて紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】もともとは2メートルを超える大きな体で敵を倒すキャラだったグルート、“脱獄”するため大立ち回り!

■銀河を守る落ちこぼれヒーローチームの一員

同作は、身長25cmの木、ベビー・グルートの日常や“小さな大冒険”が描かれたオリジナル短編集。ノリと笑いで銀河を守る落ちこぼれヒーローチーム“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の一員であるグルートの小さな大冒険が描かれる。8月10日より、ディズニー公式動画配信サービス・ディズニープラス独占で全5話(1話約5分)の一挙配信がスタートした。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーは、地球生まれ銀河育ちのノリノリのリーダー“スター・ロード”ことピーター・クイル、銀河イチ凶暴で毒舌なアライグマロケット、緑色の肌を持つ暗殺者・ガモーラ、キルン刑務所で最も恐ろしい囚人として周囲から恐れられていた戦士・ドラッグス、そして、木のヒューマノイド・グルート。個性的な面々が集まり、「アベンジャーズ/エンドゲーム」や「ソー:ラブ&サンダー」でも活躍を見せた、ノリと笑いで銀河を守る落ちこぼれヒーローチームである。

グルートはシリーズ1作目「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)に登場し、もともとは2メートルを超える大きな体だった。仲間を救うために粉々になってしまったが、グルートの物語はそこでは終わらない。2017年に公開された続編の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」では、前作で粉々になったグルートの木片からよみがえった“ベビー・グルート”が登場した。

■セリフはほぼ「アイ・アム・グルート」

身長25センチで、仲間の肩に乗ってしまうぐらいのサイズ感、つぶらな瞳、何を聞かれても「アイ・アム・グルート」の一言で返すだけだが、“相棒”のロケットには何が言いたいか理解できる。この作品で一気にグルート人気が高まった。

かわいい見た目とは裏腹に、押したら全滅してしまう危険なボタンを押そうとしたり、怒ると制御不能な戦闘能力が覚醒したり、ロケットの“意訳”に隠れてはいるが「おまえ最近言葉遣いが荒くなったな」と言われるほど、狂気も内包するグルートのかわいいだけじゃない一面。それでも、自分より遥かに大きな敵に果敢に立ち向かっていったり、“意外と”と言っては失礼かもしれないが、戦う気持ちはちゃんと持ち合わせている。

特に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」ではグルートがいなければ、チームが全滅していた恐れもあるほどの活躍ぶりを見せており、愛されキャラであるとともにチームからの信頼も厚い。

■本国版はワイスピ俳優が声を担当

そんなギャップがあるグルート。ギャップということで言うと、声を担当している俳優もそう。「ワイルド・スピード」シリーズのドミニク役でおなじみのヴィン・ディーゼルが声を担当している。ドミニクとベビー・グルートを考えるとそのギャップの大きさにビックリする。日本語版も俳優の遠藤憲一が声を担当しているので、こちらもギャップの大きさでは負けていない。事前情報なしで、グルートの声を遠藤が担当しているとは、誰も思わないはずだ。

ヴィン・ディーゼルの話に戻る。セリフは“アイ・アム・グルート”の1パターンではあるが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」1作目では6カ国分の言葉で収録し、2作目では16カ国分のアフレコにも挑戦している。1種類とは言え、感情によって言い方が変わってくるので、かなりの労力を費やしたはず。なお、日本語版では遠藤が「ボクはグルート」というセリフのみで演じている。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の第3弾も2023年4月に日本公開が予定されており、7月にアメリカのサンディエゴで行われた「コミコン・インターナショナル」で予告編が披露された。ベビー・グルートも作品を通してちょっとずつ成長しているので、第3弾ではどのような姿で登場するのかも気になるところ。

ガーディアンズに入る前の作品も

もう一つ、「アイ・アム・グルート」と一緒に押さえてもらいたい作品がある。それは「ロケットとグルート」。これはグルートとロケットガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加わる前、賞金稼ぎをしていた時の物語だ。1話3分の短編で全12話。2人の関係性がよく分かる作品なので、こちらを見ておくと他の作品もより楽しめるはず。この機会に“グルート”の魅力にどっぷりとハマってもらいたい。

◆取材・文=田中隆信

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(ディズニープラスで配信中)で登場した、キュートなベビー・グルート/ (C) 2022 Marvel