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image credit:willy/Twitter

 今やアメリカはインフレ上昇率が9.1%となっており、物価高による生活苦が犯罪率を増加させている。

 そのため万引きが多発する事態となっており、ニューヨークにある大手ドラッグストアチェーンでは、スパム缶でさえプラスチックケースに入れ、セキュリティ保護をして販売しているようだ。

【画像】 インフレで急増する万引き、ロックされる缶詰商品

 ニューヨークのポート・オーソリティバスターミナル内にあるドラッグストアチェーン『デュアン・リード』に入店した客は、商品棚のスパム缶がしっかりとセキュリティ保護されていることに驚いた。

 3.99ドル(約540円)のスパム缶だけでなく、3.44ドル(約470円)のハム缶も、プラスチックケースに入れられ、ロックされている。

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 缶詰に対するセキュリティ保護は、特に市や同店の方針ではない。しかし、この近辺は貧困者も多く、インフレによる万引きが急増している。

 盗難防止のために店側は、安い缶詰ですらケースに入れてロックして販売しているようだ。

 タイムズスクエアにある同店の従業員は、アイスクリームもにセキュリティ保護がかけられているとソーシャルメディアで明かしている。

 インフレ率が9.1%上昇しているアメリカでは、ビッグ・アップルの犯罪率が37%増になっており、ニューヨーク市全体で強盗や窃盗などの犯罪が40%近くも増えたという報告が7月27日ニューヨーク市警察によって発表されたところだ。

 ソーシャルメディアでは、安い缶詰がロックされている光景を面白いと思う人もいれば、侮辱的に感じる人もいるようだ。

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 あるユーザーは、このような光景を「セキュリティ劇場」と笑い、「本気で盗む人はきっとどれだけケースにいれても、足で踏みつけて壊して中の商品を持ち去るだろう」とコメントしている。

 しかし、こうした事態が頻繁に発生すれば店側にとって笑い事ではない、缶詰のセキュリティ保護はまさに苦肉の策なのだろう。

 ちなみに、強盗や盗難などの犯罪が急増しているニューヨーク市だが、銃撃を伴う事件は去年の同時期と比較して6%近く減少したということだ。

イギリスでもスーパーの商品にセキュリティタグ

 同様にインフレ率が9.1%上昇しているイギリスでも、去年9月頃からスーパーの食品にセキュリティタグが取り付けられている。

 GPSセキュリティロックがかけられたステーキ肉。

 やはりおおげさでは?と思う人もいるようだ。

 イギリスは、今のところスパム缶は保護されていないが、牛肉やソーセージ、鶏肉、豚肉、チーズ、バターなどの商品には、当たり前のようにセキュリティタグが付いている。

 今年になって乳製品の価格が一気に上昇したため、特にチーズやバターは値上がり度が大きく、スーパーによってはファミリー用の大きめサイズのバターがタグで保護されるという前代未聞の光景が商品棚で見られるようになった。

References:American Store Locks Spam In Security Box To Prevent People Stealing The Precious Item/ written by Scarlet / edited by / parumo

 
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アメリカでは物価高で万引きが多発。スパム缶がケースに入れてロックされる