黄色や緑、オレンジといったレゴブロックに挟まれるかたちで2個ずつ置かれたヘッドパーツ。1つは赤いハチマキを巻いた黒髪の男性、もう1つはひげをはやしたグレーの髪の男性です。

 このシンプルな作りのレゴ作品が、ツイッターで注目されています。写真だけ見ると「いったいなぜ?」と思うのも無理はないでしょう。

 投稿には「機動武闘伝Gガンダム」というつぶやきが添えられています。これを聞けば作品が何を表現しているか、分かった方も多いのではないでしょうか?

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 そう、この作品は1994年から1995年にかけて放送されたテレビアニメ「機動武闘伝Gガンダム」第45話において、主人公のドモン・カッシュと、その師匠でありながら、敵として対立する事となった東方不敗マスター・アジアの決戦時のワンシーンを再現したもの。

 互いの必殺技である「超級覇王電影弾」を同時に繰り出し激突した際に、それぞれの顔が回転しながらあらわれる演出は、シリアスなシーンのはずなのになぜか笑えてしまうという、色々な意味でGガンダムを語るうえで欠かせない一場面です。

 そんな伝説のシーンをレゴブロックで見事に再現してみせたのは、レゴビルダーとして活動するMokoさん。

 ゲームやアニメに登場するメカを、レゴでリアルに再現した作品を手掛ける一方、ガンダムシリーズの作中シーンを再現した作品も時々制作。どれもファンなら思わずニヤリとしてしまう、シーン選びが秀逸なものばかりです。

 そんなMokoさんが今作で狙ったのは「印象に残るシーンではあるけれど、あえてわかる人にしか伝わらない」こと。たしかに、作品だけを見ると成人男性の頭が交互に置かれているという謎のシチュエーションですから、筆者自身も、Mokoさんのヒントがなければわからなかったかもしれません。

 また、「レゴにこんなパーツあったんだ!」と思わせる、ドモン東方不敗のヘッドパーツにもご注目。Mokoさんは自身の作品に純正品のみを使用するスタイルをとっており、これらのパーツも実際に販売されていたパーツです。

 特に、東方不敗のヘッドパーツは、近年発売されているタイプと異なり、目にハイライトがない昔ながらの仕様で、レゴらしい脱力感のある演出が出来ないかと思い選んだ、というこだわりの一品。ドモンの表情を合わせる事が出来なかったのが心残りと語っていますが、キョトンとした師匠の顔は、これはこれでなんだか味わい深いものがあります。

 そんな「わかる人にしか伝わらない」作品でしたが、投稿には「これだけで何のシーンかわかるのつよい」「このあと暁に死にそうな場面ですね」といったコメントが多数。シンプルな作品ながら、その高い再現度に多くのGガンダムファンらが思わずニヤリとしたようです。

 MokoさんにとってGガンダムは「わかりやすいロボットアニメの作りをしていたことが受け入れやすくて、すぐに大好きになりました」と幼少時に影響を受けた、いわばガンダムを好きになった原点とも言える作品。

 自身の予想を超える反響の大きさに対して、「『やっぱりみんなあのシーン記憶に焼き付いているんだ』という共感のようなものが得られたのが、同じGガンダムファンとしてもうれしく思います」と、感想を語っていました。

 過去には東方不敗が操縦する「マスターガンダム」をレゴで制作したこともあるMokoさん。他の作品のパーツ確保の為に、やむを得ず解体してしまったそうですが、「マスターガンダムもいつかリメイクしたい。できればゴッドガンダム)と並べて」とツイートしています。次なる名シーンの再現に、つい期待が高まってしまいますね。

<記事化協力>
Mokoさん(@LEGOdouMoko)

(山口弘剛)

この写真にピンときたらガンダム通?レゴであの名シーンを再現