世界中に多くのサプライヤーを抱えるAppleだが、これまではその多くが特定の中国企業であったことも事実だ。しかし近日、同社がサプライヤーを多角化させているという報道が相次いでいる。

(参考:【写真】今秋発売と予測される「iPhone 14 Pro Max」

 Economic Timesの報道によれば、Appleの最大のサプライヤーである台湾Foxconnは、iPhoneを生産するための新しい生産施設をインドの既存工場内に開設し、インドでの生産量をさらに高めるという。

 Appleは今年はじめからインドでiPhone 13の生産を開始しており、またインドベトナムなどにおけるサプライヤーの拡大にも取り組んでいることが報じられている。

 また著名アナリストのミンチー・クオ氏は、Appleが中国においてもさらにサプライヤーを拡大していることを報告している。この理由についてクオ氏は、地政学的なリスクの高まりと新たなグローバリゼーションにより、サプライチェーン・マネジメントを複雑化していると述べている。

 中国では新型コロナウイルスによる上海でのロックダウンで、サプライヤーが閉鎖されるという問題が生じた。また同国では停電も実施されており、これもAppleのサプライヤーに影響を及ぼしている。

 ウクライナ情勢の急変など、国際情勢の将来を知ることはますます難しくなっている。そんな中、Appleがサプライヤー筋を多角化するという判断は、ごく自然なものだろう。

Source
https://www.macrumors.com/2022/08/04/iphone-supplier-push-into-india/
https://appleinsider.com/articles/22/08/04/kuo-backs-up-rumors-that-apple-is-diversifying-suppliers-in-china

(文=塚本直樹)

Appleより