結婚式

妬みが高じた新郎が、結婚式当日に招待客の前で新婦を殴り殺したとして、18年の禁固刑に処された。ロシア国内で深刻な問題となっている家庭内暴力(DV)の惨状を、『Mirror』や『Daily Mail Online』などの海外メディアが報じている。


■妻の浮気を疑い激しく殴打

ロシアシベリアの小さな村でささやかな結婚式が行われているなか、新郎のステパン・ギルクは嫉妬で怒り狂っていた。新婦であり妻が結婚式の参加者と親しげに話していたことが原因で、酔っ払ったステパンは妻が浮気をしていると思い込んだのだ。

彼は妻の髪を掴んで家の外まで引きずり、周りの目も気にせず、妻の胸部や頭部などの急所を激しく殴った。そのあまりの剣幕におののいた招待客たちは介入を恐れ、警察に通報することしかできなかったという。


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■強盗と殺人で服役の過去

妻が息を引き取ったように見えると、ステパンは彼女を近くの渓谷に投げ捨てた。この事件が起こったのは、2人が結婚式で誓いの言葉を交わしてからほんの数時間後のことだったという。

ステパンは、結婚式の前にも強盗と殺人の容疑で服役していた過去があった。殺害された妻とは、彼が刑務所にいる時に手紙の交換を通じて出会ったという。妻の友人は、「彼女はステパンを心から愛していて、彼を更生させることができると信じていた」と話している。

■招待客にも憤りの声

この凄惨な事件が報じられると、人々は「妻を殴り殺すなんて酷すぎる」「彼は2回も殺人を犯したというのに、18年間しか刑務所に入らないのか」とステパン容疑者に激しい怒りを示した。

また、「誰も助けに入らなかっただって?」「多勢に無勢と言うし、皆で押さえつければこんな事件は起こらなかったはず」といったコメントも多く寄せられており、新郎の犯行を止めることができなかった招待客を看過できない人々も大勢いるようだ。


■ロシアで多発するDV

ロシアにおける家庭内暴力の多さは、非常に深刻な問題だ。ロシア内務省によると、同国では年間約1万4,000人の女性が夫や恋人からの暴力で死亡しているという。

ロシア警察はDVを「家族の問題」として扱いがちで、DV被害者を守るための法律が存在しない。2017年の法改定により、家族を殴ったとしても、初犯であれば罰金や2週間以下の拘束だけで済まされることになっており、DV事件は増加の一途を辿っている。

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(文/Sirabee 編集部・広江おと

嫉妬に狂った新郎が結婚式で新婦を殺害 DV被害が深刻化する中で起きた悲劇