ペットを飼っている人であれば、旅行や出張などの際に飼い主が不在になることで犬や猫が「寂しがるのでは?」と心配する人もいることだろう。だがペットと一緒に飛行機での移動となると別の心配が出てくるようだ。このほどカナダの空港職員が、搭乗客から預かったペットを飛行機の貨物室に乗せる様子を捉えた動画をSNSに投稿したところ物議を醸している。『7NEWS』『Newsweek』などが伝えた。

カナダブリティッシュコロンビア州在住で「Dj Sugue」(以下、スグーさん)というアカウント名の男性がTikTokに投稿した、飛行機の貨物室に犬を乗せる様子を捉えた動画が物議を醸している。スグーさんは同州バンクーバー国際空港で2016年からバゲージハンドラー(荷物係)として働いており、空港の舞台裏について投稿している。

数多くある動画の中で、先月12日に投稿した「空港で犬がどのように扱われているか疑問に感じたことはありませんか?」と言葉が添えられた動画は170万回も視聴されて注目を集めた。動画にはスグーさんが飛行機の貨物室で搭乗客のペットと思われるチワワが入ったキャリーケースをベルトで固定する様子が捉えられており、チワワは不安そうな表情を浮かべているようにも見える。

スグーさんの動画を見た人たちは、飼い主と離れて貨物室にひとりぼっちにされたチワワに胸が痛んだようでこのような声が届いた。

「私も犬と一緒にいられるように貨物室に縛り付けて欲しいよ。うちの犬はひとりぼっちだと怖がるだろうから…。」
「私だったらペットをそんな風に飛行機に乗せるなんて薄情なことができないわ。」
「こんなのありえない! 機内はどれだけ暑くなるんだろう? これが虐待じゃなきゃなんだってんだ。」
飛行機の貨物室に安全な犬小屋を設置するよう航空会社にお願いしたいわ。」

また空港で働いているという女性から「手荷物置き場のすぐ横が私のオフィスで、犬の鳴き声が聞こえてくると本当に悲しくなっちゃうわ」といったコメントが寄せられていた。さらに6月2日に投稿された動画では、ペットキャリーに入った中型犬がベルトコンベアーで貨物室に運ばれ、乗客の荷物が積まれた中に乗せられる様子があり、これにも「犬は荷物じゃない! 彼らがどれだけ恐ろしい思いをしているか想像してみて!」と怒りをぶつける人もいた。

米メディア『Newsweek』によると、国際航空運送協会(IATA)は「航空会社におけるペットの輸送に対する人々の心配にもかかわらず、毎年何百万匹もの動物が問題なく輸送されています」と述べており、「心配は無用です。猫や犬はより静かで暗い環境で休むことになるので、この方がペットにとって最適だと言えます」と説明したそうだ。

しかしペット用健康食品を販売する「Honest Paws」がアメリカ合衆国運輸省の発表した昨年のデータに基づいて作成した報告書によると、2010年から2020年の間に米国内で250匹ものペットが飛行機での移動中、またはその直後に死亡しているとのことだ。これ以外にも20匹が行方不明、170匹が病気や怪我などをしているという。

ちなみに航空会社によっては、ルールに則って機内にペットを同乗できる場合もある。今回の動画の舞台となったカナダの航空会社「エア・カナダ(Air Canada)」では機内に同乗可能で、同航空会社のウェブサイトには「前の座席の下に収納可能なキャリーケースに収まる猫、または小型犬が同乗可能」と記載されている。日本においてはスターフライヤーが一部の便で同乗ができるようだ。

画像は『Dj Sugue 2022年7月12日付TikTok「You ever wonder how dogs are handled at the airport」、2022年6月2日付TikTok「This is how they are loaded on a narrow body airplane」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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