中国と台湾の旗

台湾のジョセフ・ウー外交部長(外相)は9日、中国がナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を口実に軍事演習を強化し、台湾侵攻する準備を進めていると警告した。


■台湾の外務大臣が警告

中国は昨今、台湾を取り囲むかのように軍事演習を強化しているが、それはこれまでに見られなかった行動で、台湾有事を巡る緊張の度合いが高まっている。

また、ウー外交部長は、中国が大規模な軍事演習やミサイル発射、サイバー攻撃、偽情報の拡散、経済制裁などありとあらゆる手段を用いて台湾の弱体化を試みていると非難した。


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■不可逆的な米中対立

ペロシ米下院議長が8月に台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。ペロシ米下院議長は米国が台湾を見捨てることはないと台湾へ関与する姿勢を示し、中国を強くけん制した。

ペロシ米下院議長が訪台する直前、中国は断固たる対抗措置を取ると米国を強く牽制し、台湾周辺での軍事演習を活発化させた。

習国家主席も電話会談したジョー・バイデン大統領に対し、「火遊びをすればやけどをする」とペロシ米下院議長の台湾訪問に強く釘を刺した。しかし、ペロシ米下院議長は訪台し、中国としてはメンツを潰された格好となったが、もう米中対立は後戻りできないところまで来ている。

■退避できるなら退避も

冒頭にも指摘したように、台湾には2万人の日本人が日常生活を送っているが、台湾有事となればすぐに日本への退避は難しくなる。

今回、ペロシ米下院議長の台湾訪問直後から中国は軍事的活動を強化しているが、韓国の大韓航空アシアナ航空は一時台湾を結ぶフライトを停止させたように、緊張が高まれば唯一の退避手段である空路はストップする可能性が高い。

仮にストップしなくても、大勢の外国人が退避のため空港に向かうことで大混乱が生じることは想像に難くなく、できることなら有事になる前の退避が望まれるところだ。


■ウクライナより難しい

ウクライナの時には大勢の人々が隣国ポーランドなどに避難できた。しかし、それはウクライナが陸続きであることも大きく、海に囲まれる台湾からの避難はウクライナより難しいものになる。

台湾から与那国島100キロほどしか離れていないとはいえ、その周辺海域は中国軍の軍事演習区域となり、海を使っての退避も簡単に遮断される恐れがある。今後の動向が強く懸念される。

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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

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