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 気候変動の影響により日本でも猛烈な熱波や、大雨による洪水の被害が各地を襲っているが、それは世界でも同様だ。

 アメリカでは1000年に1度の大洪水と言われるほどの降雨が、2週間の間で、ミズーリ州、ケンタッキー州、イリノイ州、カリフォルニア州の4カ所で発生したという。

 特に、北米で最も乾燥している場所として知られているカリフォルニア州デスバレーでは、わずか数時間で1年分に近い降雨量が記録された。

【画像】 3時間で約1年分の降雨量を記録したデスバレーの大雨

 カリフォルニア州デスバレーでは、わずか3時間でほぼ1年分の降水量が記録される大洪水が発生した。

 国立公園局によると、デスバレーのほぼ中央に位置するファーニス・クリークでは、37.08ミリの雨を記録。北米で最も乾燥した場所が、壊滅的な洪水を引き起こす事態に見舞われた。

 公園の責任者であるマイク・レイノルズ氏は、このように述べている。

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デスバレーは、世界で最も暑く北米で最も乾燥しています。この信じられないほど極端な場所で、1,000 年に一度の洪水が発生したということは、まさに極端な環境の典型的な例と言えるでしょう。

 しかし、洪水による大きな影響を受けたのはデスバレーだけではない。

他の数州でも記録的降雨が発生

 デスバレーの記録的降雨の数日前には、イリノイ州南部と中央部で12 時間にわたり203.2mm~304.8mmを記録する雨が降った。

 1週間に3 回目の降雨となるこの大雨により、同地域では車両が水没し、鉄砲水が発生して広範囲に被害が発生した。

 それに先立ち、7月25日~30日にかけては、ケンタッキー州の雷雨を伴った豪雨が、洪水を引き起こした。

Kentucky Recovering From Horrific Flash Flooding That Claimed At Least 37 Lives

 国立気象局によると、同州東部とアパラチア中央部では圧倒的な量の雨とそれに伴う洪水により、広範囲にわたり甚大な被害が生じ、少なくとも 37 人が死亡したという。

 この地域を襲った雷雨により、5日間で 355.6mm~381mmの雨が降り、7月は記録上4 番目に雨が多かったことが記録された。

 また、7月26日ミズーリセントルイスでは、わずか6時間で 195.07 mm の雨が降るという、まさに1,000 年に 1 度の豪雨に見舞われた。

 National Weather Serviceでは、合計229.61 mm 相当の雨が15 時間続いた嵐の間に降り、1915 年の降雨記録である173.99 mmを打ち破った、と報じている。

 全米海洋大気協会によると、2022年7月は2012年7月に続いて記録的な暑さとなっているという。専門家らは、気候変動、化石燃料の燃焼、地球温暖化が続くと、この種の大規模な洪水がより頻繁に起こるようになると考えている。

References:Historic July 26th-July 30th, 2022 Eastern Kentucky Flooding/ written by Scarlet / edited by / parumo

 
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アメリカでは1000年に1度の大洪水が4カ所で発生