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 地球温暖化の影響で、スイスアルプスの氷河の多くが消えつつある。

 今年の夏、2度の厳しい熱波に襲われたヴァレー州にある2つの氷河では、半世紀以上前に墜落した飛行機の残骸と、それとは関係のない2人の遺体が発見された。

【画像】 ハイカーが溶けた氷河から遺体を発見

 この夏、熱波により氷河が融解しているスイスアルプスで、遺体や飛行機の残骸が発見された。

 8月3日スイスのヴァレー州南部チェッシェン氷河で、約10年前に使われなくなった古い道の近くを登っていた2人のフランス登山家は、溶けた氷河から遺体が見えているのを発見し、ヴァレー州警察に通報した。

 遺体を氷河からヘリコプターで空輸した同州警察は、現在2人の遺体の身元確認作業を行っている。

 発見者となった登山家の1人、リュック・レシャノインさんは、スイスブリック紙に、「少し吐き気を催した」と語った。

 また、ミイラ化された遺体が身に着けていた衣服が「80 年代スタイル」のネオンカラーだったことや、遺体はわずかに損傷していたものの、「ほぼ完全」な状態だと語った。

 警察では、発見者の証言から「1970~80年代に死亡した」と予測しているが、遺体とともに見つかった所持品などを調べ、死亡した時期がどのぐらい前までさかのぼるかを調査し、可能であればDNA検査も実施すると述べている。

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pixabay

半世紀前の墜落した飛行機の残骸も発見される

 またこの日、ユングフラウとメンヒの山頂近くにあるアレッチ氷河で、飛行機の残骸も山岳ガイドにより発見された。

 のちにこの飛行機は、1968年6月30日に墜落したパイパー・チェロキーの残骸(HB-OYL)と判明した。

 この飛行機には、教師、医務主任、チューリッヒの少年の3人が乗っていた。当時、遺体はすべて回収されたが、残骸はそのまま氷の中に埋もれていった。

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氷河が溶けて遺体が出現する事例は過去にも

 急激な気温の上昇によって、アルプスの氷河が溶けて出現した遺体は、今回だけではない。

 地元メディアが報じたところによると、2人の遺体と飛行機の残骸が発見された1週間前にも、ツェルマットのリゾート近くのシュトックジ氷河で、別の遺体が発見されたという。

 ヴァレー州警察では、1925年以降に行方不明になった約300件のリストを保管している。

 今回のように、氷河が溶けると数十年前に行方不明になった人々の遺体が出現することがあるため、遺体と行方不明者を照合する為だ。

 2012年には、1926年行方不明になった3人の兄弟の遺体がアレッチ氷河で発見された。

 また、1942年以来行方不明となっていたスイス人夫婦は、ヴァレー州ツァンフルーロン氷河で2017年に遺体となって発見された。

 更には、2018 年4月にドイツロシア、米国のスーパーマーケットチェーンの億万長者カール・エリバン・ハウブが、スキーツアーのトレーニング中にツェルマット地域で行方不明になったが、2021年に法的に死亡したと宣言されている。

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pixabay

 なお今年7月、当局ではハイカーに対し、ツェルマットでは30度近くに達する異常な高温のため、マッターホルンには登らないようにと勧告していた。

References:Thawing Glacier Reveals Unknown Bodies And Plane Wreck In Swiss Alps/ written by Scarlet / edited by / parumo

 
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スイスアルプスの氷河が溶け、未知の遺体と墜落した飛行機の残骸が発見される