月からすでに、全国50地点近くで35度以上の猛暑日となった。こんな猛暑で、毎日キッチンで火を使った料理なんてしたくないというのが主婦の本音だろう。
「『冷や出汁』があれば、コンロの火や電子レンジを使わなくても、ヘルシーでおいしい料理を作れますよ。快適に料理ができ、節電にもなります」
こう語るのは、アンチエイジング料理研究家の吉村ルネさんだ。発案したレシピは、酷暑の今、テレビでも紹介され話題を呼んでいる。そんな吉村さんが、今回本誌のために、“火とレンジを使わない”カンタンなレシピを考えてくれた。
キーワードは先述の「冷や出汁」なるもの。それって、なに?
「ピッチャーにお水と昆布と削り節を入れて、冷蔵庫で一晩置くだけで、冷や出汁ができあがります。この冷や出汁を、製氷皿などに入れて凍らせると冷や出汁氷になります。さまざまな料理に活用できますよ」(吉村さん・以下同)
■「冷や出汁」の作り方
【材料】
水…1リットル
昆布…10cm角×2枚(8g)
混合削り節…30g
【作り方】
大きめのピッチャーに、混合削り節と昆布を入れ、水1リットルを入れて一晩置いておく。約8時間でおいしい冷や出汁が完成! 調理に使うときは、茶こしなどを使い、ボウルに移し入れて使おう。冷凍庫で凍らせると“冷や出汁氷”に。
「昆布と混合削り節をピッチャーの水の中に入れ、8時間以上じっくり出汁を抽出します。火にかけて出した出汁とは違い、スッキリとした味わい。これを使えば、猛暑にうれしい涼しい味の料理ができるんです」
熱中症の原因は、暑さのほか塩分やミネラルの不足。冷や出汁を使った料理なら、それらを補える。具体的な料理はつぎのとおりだ。それぞれの効能や特色を教えてもらおう。
■丸ごとトマトの冷や出汁氷がけ
「ビタミンたっぷりのトマトを凍らせておいしく食べましょう。冷や出汁氷は、タッパーからフォークでかき出すと、みぞれ風のお出汁に。トマトにかけることで、トマトの濃厚な味と出汁がマッチして、涼しげな夏のお総菜になります」
【材料】2人分
トマト…2個
冷や出汁…450ml(うち250mlは凍らせて冷や出汁氷に)
塩…5g
しょう油…小さじ1
みりん…小さじ2
万能ねぎ…適宜
【作り方】
〈1〉トマトはヘタをくりぬき、冷凍庫で凍らせておく。
〈2〉冷や出汁450mlに、塩としょう油、みりんを加えて混ぜる。そのうちの250mlをタッパーに入れて、2時間以上凍らせて冷や出汁氷を作る。
〈3〉〈2〉の残りは冷蔵庫で冷やす。
〈4〉〈2〉の冷や出汁氷を取り出しフォークなどでかき出してみぞれを作り、再び冷凍する。
〈5〉〈1〉を取り出し20分ほど置いて、皮をむく。
〈6〉器に〈3〉の冷や出汁を注ぎ入れて、トマトを置いて、その上に〈4〉をかけ、小口に切った万能ねぎを散らす。スプーンでいただく。
■サーモンとアボカドのたっぷり薬味麺
食欲が出なくて、つい冷たい麺を食べたくなる真夏。
「ゆでずに使えて人気の豆腐麺は、コンビニやスーパーで入手できます。サーモンの『アスタキサンチン』は、抗酸化作用があり、肌の美しさを保ちます。アボカドは、ビタミン、ミネラル、食物繊維と栄養たっぷり。合わせて食べると、体をいたわるアンチエイジング食になります。喉越しもよく、体の火照りもおさまる、豪華な麺料理です」
【材料】2人分
冷や出汁…600ml
A(しょう油…小さじ2、塩…小さじ1、はちみつまたはオリゴ糖…小さじ2)
刺身用サーモン…約160g
塩…4g
市販の豆腐麺…1人1袋(80〜90g)×2袋(市販のうどん、そばでも可)
アボカド…1個
レモン汁…1/4個分
しそ…適量
万能ねぎ…適量
冷や出汁氷…氷キューブ8個(1人分)
【作り方】
〈1〉冷や出汁にAの材料を入れて混ぜて麺のかけ汁を作る。
〈2〉刺身用サーモンに塩をまぶして冷蔵庫で20分ほど置いたあと、1cmの厚さに切る。
〈3〉ゆでずに使える豆腐麺をザルにあげて水気を切る。
〈4〉アボカドは皮をむいて種を取り、一口大に切りレモン汁をかけておく。
〈5〉しそは千切りに、万能ねぎは小口切りにする。
〈6〉器に〈3〉の麺と、〈1〉麺の冷や出汁汁を入れて、その上に、サーモンとアボカドをのせ、冷や出汁氷をかけ、小口に切った万能ねぎを散らす。スプーンでいただく。
おいしく手軽な冷や出汁レシピで、猛暑を元気にのりきろう!
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