自然界では植物が作り出すアルコールや薬物などで、図らずもキマってしまう動物たちが出て来るのだが、今回はヒグマの子供だ。
ぽわ~っと酩酊状態となってしまったようで、歩くこともままならず座り込んでいる所を保護された。
何を食べたのかって?幻覚作用が起きることで知られている、あの「マッドハニー」だ。
トルコ北西部にあるデュズジェ県の森で、「マッドハニー」を大量に食べちゃったメスのヒグマの子供が酩酊状態となり、ふらふらしている所を発見され、レスキュー隊によって保護された。
子グマはトラックに乗せられ、治療のために獣医のところに連れて行かれた。
トルコの自然保護・国立公園局の職員であるメヴルット・サンリ・シムセク氏によると、発見当初はほとんど動くことができずに、ぼけーっとしていたという。だがすぐにその状態は改善されたそうだ。
Bear cub high on 'mad honey' gets rescued in Turkey
マッドハニーはトルコ語で「デリバル(deli bal)」と呼ばれており、カチカル山脈で養蜂家によって少量生産されている。
マッドハニーはオオミツバチがシャクナゲなどのツツジ科の植物の花を採取して作るはちみつで、ヒマラヤ山脈が産地だが、カチカル山脈は世界で唯一、シャクナゲの固有種が「グラヤノトキシン」という強力な神経毒を生成する場所なのだそうだ。
ハチがシャクナゲの蜜を吸うと、泥のように赤いハチミツに鋭い香りと苦味が加わり、哺乳類に幻覚作用をもたらすことがある。
トルコでは、高血圧の治療、滋養強壮や精力剤として朝食前にスプーン1杯ほど食べる伝統があるという。
だが過剰摂取すると、幻覚状態を引き起こし、吐き気、失神、発作、不整脈を誘発し、まれに死に至ることもある。トルコでは年間数十人が蜂蜜中毒で入院しているそうだ。
クマの健康状態は良好で、完全に回復したら野生に戻す予定だそうだ。
大変興味深いマッドハニーに関する情報はまたお伝えしよう。
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written by parumo
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