レコーダー市場の販売台数指数は右肩下がりで推移し、市場規模は2年半でほぼ半減となったことが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。

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 レコーダー市場において、2020年1月の販売台数を「100.0」とした指数を算出した。同市場では年末年始商戦(12月・1月)、年度末・新生活商戦(3月)、夏季ボーナス商戦(7月)と、一年のうち3回の商戦期があるが、台数指数は年を追うごとに商戦期のピークは低くなっている。例えば年末年始商戦では、20年12月の台数指数は138.0に達したが、21年12月は94.9と40ポイント超下落している。また、年度末商戦では、20年3月の88.1、翌年は84.5と微減にとどまったが、22年3月は64.5と急減速。22年5月は39.8まで落ち込み、7月は52.1まで戻したものの、基点となる20年1月の半分ほどの市場規模にまで縮小している。

 こうしたレコーダー市場縮小の背景には、動画配信サービスの普及に加え、見逃し配信サービスのTVerが22年4月からがリアルタイム配信を始めたこともレコーダー市場の規模縮小に拍車をかけている。またレコーダーの機能面では、2チューナー搭載や1TBのHDD搭載という傾向に大きな変化はないにも関わらず、半導体不足や部材の高騰、円安により、平均単価の上昇が需要減につながっているのだろう。

 これまでは、薄型TV市場の動きと相関関係があったレコーダー市場だったが、2021年に入ってから薄型TVの動向と乖離し始めた。今後、見逃し配信サービスなどと比較した際の優位性を示せなければ、レコーダーの市場規模が拡大に転換するのは厳しい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。