アレック・ボールドウィン主演の低予算映画『Rust』の撮影現場で起きた、銃誤発射による撮影監督死亡事故について、連邦捜査局(FBI)の調査報告書が発表され、「銃は引き金を引かずに発射することはない」と結論付けていたことが分かった。Varietyなど、米メディアが報じている。

【写真】「アレック・ボールドウィン」フォトギャラリー

 この事故は、昨年10月、米ニューメキシコ州のボナンザ・クリーク牧場で撮影中だった『Rust』のリハーサル中に起きたもので、プロデューサーで主演も務めるアレック・ボールドウィンの構えた銃が誤発射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンズさんが亡くなり、監督のジョエル・ソウザが負傷した。

 ABC Newsが入手した報告書によると、FBIは、事故発生時に使用されたものと同じモデルのコルト社製の45口径リボルバーF.lli Piettaを用いて検証を行い、「引き金を引かずに銃が発射することはない」と結論付けたことが分かった。

 直接弾丸の雷管を叩くための部品である撃鉄(ハンマー)が、半分かそれ以下しか起こされていなかった場合、引き金を引かずに発射すること出来ないと書かれ、撃鉄が完全に起こされていた場合でも、内部の部品が完全で機能している場合は、引き金を引かずに発射することは出来ないと報告されているそうだ。

 しかし、銃弾が込められた状態で、撃鉄を解除した場合、引き金を引かずとも撃鉄が直接当たり、銃弾の雷管だけを起爆することが出来たとも報告されているという。

 事故当時銃を手にしていたアレックは、実弾の入っていない撮影用の銃をスタッフから手渡されたと証言。また、「私は引き金を引かなかった」とインタビューで話しており、今回明らかになった報告書の内容は、彼の証言と食い違う結果となった。

 なお、事故の捜査に当たっている地元サンタフェ保安官事務所は、FBIの報告を考慮し、関係者らの刑事訴追を検討するという。

『Rust』銃誤発射による死亡事故、FBIの報告書が明かに 銃の引き金を引かない限り発射しない (C)AFLO