新型コロナ第7波が襲う中、行動制限のない3年ぶりの夏が到来。だが、危ないのはコロナだけではない。この夏、生命を脅かしかねない注意すべき危機について徹底取材した。

◆山間部から市内へ生息範囲を拡大中

 夏の時期のアウトドアなどで気をつけておきたいのが「マダニ」だ。

「マダニは人間や動物から吸血して生息する3~4㎜の節足動物。吸血する際、血液と一緒にウイルスやリケッチアの病原体を吸い込むため、その病原体を他の動物に媒介させてしまい、感染症を引き起こします。重症化した場合、多臓器不全となり、最悪死に至るケースもあります」

 そう語るのは、保健所の中の医師氏。氏によれば、主にマダニは山間部に生息しているが、最近では市街地にも生息範囲を拡大。公園や自宅の庭でペットを介して感染するパターンもあるという。

「マダニに噛まれた直後は、何も起こらず、1~2週間後に発症します。『SFTS(重症熱性血小板減少症候群)』に感染した場合、症状は発熱、吐き気、頭痛、下痢、筋肉痛などを発症し、致死率10~30%といわれています」

◆予防策は?

 予防策として、虫よけスプレーは必須だ。

「マダニは鼠径部や内股について気がつかないこともあるのでシャワーや入浴時によく確認しましょう。自分で取ろうとしてマダニをつぶしてしまうと体液を逆流させてしまう恐れがあるため、皮膚科を受診してください」

 慌てず冷静に対処したい。

美しいブルーの猛毒“電気クラゲ”が大量発生

「別名『電気クラゲ』とも呼ばれ、刺されると全身が痺れるように痛み、患部が腫れ上がります。複数回刺されると、スズメバチに刺された時のように血圧の低下や意識障害などのアナフィラキシーショックに陥ることもあります」

 前出の保健所の中の医師氏が、海の危険生物として挙げたのが「カツオノエボシ」だ。

カツオノエボシは春から秋にかけて、江の島小田原など太平洋側の沿岸部に大量に漂着することがあります。台風が来た翌日など、波や南風が強い時は漂着しやすいので特に危険です」

◆刺された直後は二次災害に注意

 実際に刺された場合はどうすればいいのか。

「刺された直後は二次災害に注意。パニック状態になって溺れたり、触手を取ろうと素手で触らないよう、落ち着いて陸地に引き返してください。それから触手を取り除く際は、必ず海水中で取り除くこと。真水をかけるとかえって刺される危険性が高くなります。もし、アナフィラキシーショックを起こしていたら救急車を呼びましょう」

 対策は露出が少ない服を着ることに限るという。海に行く時は天候状況を確認し、出現リスクを頭に入れておこう。

【保険所長・保健所の中の医師氏】
医学博士。社会医学系専門医・指導医。Twitterで公衆衛生医師の認知度向上のため活動中

取材・文/週刊SPA!編集部

―[真夏の危険注意報]―