子育てグッズの製造や地域社会づくりに取り組む企業や自治体を表彰する「日本子育て支援大賞」をめぐり、兵庫県明石市の泉房穂市長が8月15日、受賞の条件として金銭の支払いが必要と言われたなどとツイッターに投稿し、波紋を呼んでいる。

同賞は、一般社団法人「日本子育て支援協会」が主催している。同法人のホームページによると、「アワードを通して子育てに良い商品、サービスがたくさん生まれてくることを支援していきます」としている。

泉市長は、2022年3月に同協会から「『大賞』に推薦したいと明石市に連絡があったが、お断りをした」とツイート。その理由として、「大賞受賞の条件として、“金銭を要求されたからだ」(原文ママ)としていた。

条件の内容については、「『ロゴ使用料70万円』と『トロフィー代10万円』が必要と言われた」とし、「ロゴは使わないし、トロフィーもいらないので、賞だけというわけにはいかないのか」と主催者に直接問い合わせをしたようだが、「他の自治体には払ってもらっているので」と言われたという。

●吉田理事長「受賞に支払いは必須ではございません」

泉市長が「『日本子育て支援大賞』というとイメージがいい」とツイートしているように、同賞を受賞したとなれば、自治体として「子育てに積極的」ということのアピールにつながるものとみられる。

しかし、もし受賞条件として金銭の支払いが必要だとすれば、そのイメージはかなり異なるものになる。本当に泉市長のツイートのように、金銭の支払いが受賞条件なのだろうか。

日本子育て支援協会の吉田勝彦理事長(元・花王代表取締役専務)は8月17日弁護士ドットコムニュースの取材に対し、泉市長から連絡があったことを認めたうえで、金銭の支払いが受賞条件というのは「事実ではない」と否定。「受賞に支払いは必須ではございません」という。

「市長様から直接電話があり、『お金がかかるのか』とのご質問がありましたので、有償の場合のロゴマーク使用料やトロフィー代の説明をしましたが、この際に、無償の場合の話も丁寧にしておくべきだったかと思います」

吉田理事長によれば、第3回日本子育て支援大賞の推薦については明石市の担当者に案内を送った。担当者からは「私たちでは応募書類をかけないので、そちらで書いて欲しい」と言われたが、代筆はできないとして今回の応募はなかったことになり、審査対象にもならなかったという。

仮に同協会の推薦に基づき審査対象になったとしても、必ず大賞を受賞できるわけではないといい、過去に推薦があったものの落選したケースもあったという。

第3回日本子育て支援大賞の受賞商品・サービスはすでに決定・公表されており、同賞の公式ホームページで確認できる。自治体部門では、茨城県境町、岡山県奈義町、東京都八王子市大阪府枚方市の4自治体が受賞している。

今回受賞した4自治体について、吉田理事長は「無償で受賞した自治体もある」と説明する。

「今回受賞された4自治体のうち、2自治体トロフィーのみお申込がありましたが、4自治体ともロゴマークは不要とのことでしたが、受賞となりました。結果、2自治体は全く無償で受賞となっております」

過去に受賞したケースについても、「それぞれのご判断で有償も無償もある」とし、すべてのケースで支払いがあったわけではなかったという。

なお、ロゴマーク使用料やトロフィー代については、自治体部門だけでなく、企業部門についても同様の仕組みを取っているとする。

「すべて同じ仕組みです。企業さまも有償と無償はそれぞれのご判断ですので、有償の企業様も無償の企業さまもあります」

「受賞の条件として金銭を要求された」明石市長のツイートが波紋 日本子育て支援大賞主催者は「支払い必須でない」と否定