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加藤勝信厚生労働大臣(66)、山際大志郎経済再生担当大臣(53)、西村康稔経済産業大臣(59)、谷公一国家公安委員長・防災担当大臣(70)、小倉將信少子化担当大臣(41)ら5名の閣僚が出演した8月14日放送の『日曜討論』(NHK)。番組では様々な議論が交わされたが、NHKの姿勢に批判が集まっている。

10日に行われた内閣改造を受けて「岸田改造内閣始動 コロナ・物価高 閣僚に問う」と題されたこの日のテーマ。番組では、第2次岸田内閣の閣僚たちへ、新型コロナや物価高への対策を問うていた。

メインテーマとは別にこの日の放送で視聴者が注目していたテーマが。連日、報じられている統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)問題だ。

安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件以降、政界と統一教会との繋がりが次々と明らかに。なかでも自民党統一教会の関係は濃く、共同通信が行った議員へのアンケートによると統一教会と接点のあった議員のうち8割が自民党の議員でした」(政治部記者)

かねて霊感商法や多額の献金が指摘されている統一教会と政治家との繋がりをテレビ各局も連日、批判的に報じている。しかし、報道姿勢が「及び腰だ」と批判されているテレビ局がある。NHKだ。

「NHKは統一教会の問題について、政治家が公的に出したコメントをニュース番組やウェブニュースなどで取り上げるのみで、深く掘り下げた報道がほとんどみられません。統一教会の問題に対してもあまりに消極的で、Twitter上では《#もうNHKに金払いたくない》と不満の声があがるほどです」(前出・政治部記者)

本誌も先日、統一教会報道に上層部が自主規制していると指摘するNHKの現役記者の声を紹介。それらについてNHKに問い合わせると、次の回答が。

「『ニュース7』や『ニュースウオッチ9』では、『世界平和統一家庭連合』、旧統一教会と政治の関係などに関するニュースを報道しており、ご質問にある指摘は事実ではありません。引き続き、視聴者の皆さまの高い関心なども踏まえ、多角的に正確な情報をお伝えするよう努めてまいります」

そんななか迎えた14日の『日曜討論』。出演した加藤厚労相や山際経済再生相は過去に統一教会やその関連団体と接点があったことを認めており、統一教会と政界の問題にどのように言及するのか注目が集まっていた。

しかし、放送では、加藤厚労相や山際経済再生相は統一教会との過去の接点を認めたものの、今後は関係を持たないとコメントするのみ。他の3人の閣僚も同様のコメントをし、その後は新内閣としての今後の取り組みについての話題に。NHK側の出演者もそれ以上追及する素振りを見せず、統一教会の問題についてこれ以上討論が交わされることはなかった。

及び腰な姿勢への批判が高まっているにも関わらず、未だ統一教会の問題に深く切り込まずにいるNHK。『日曜討論』に対してもインターネット上では批判の声が。

《うわ…今日って内輪で頑張りますって話す回なの?もうホント終わってんな、NHK》
《NHK何これ?新閣僚統一教会議員に弁明の場を与えて、また政府広報のゴマスリ企画ですか?マジでもう公共放送の看板外して自民党チャンネルとかにすれば?国民から受信料徴収する資格はナイ。自民党の党費で運営してくれ》
《呆れた…閣僚だけ出演させて言い訳たれ流し放題。どこが討論なん?これで受信料貰おうなんてどこまで恥知らずなのよ》

本誌はNHK広報局に、『日曜討論』で統一教会問題にあまり踏み込まなかった理由や今後の報道スタンスなどについて書面で質問したところ、以下の回答があった。

「『日曜討論』では、幅広い政治課題をテーマに、与野党同席による討論、専門家による討論など様々な形式で番組を制作しています。8月14日の放送では、10日の第2次岸田改造内閣の発足を受けて、山積する諸課題にどのように対応するのか閣僚に聞きました。

また、『世界平和統一家庭連合』、旧統一教会と政治の関係などに関して、NHK ではテレビやラジオ、NHKニュースウェブで報道しており、引き続き、多角的で正確な情報をお伝えするよう努めてまいります」

踏み込まなかった理由についての明言は避け、後半部分は前回とほぼ同様の回答だったNHK。公共放送としての国民の関心に応えてほしいものだがーー。