そのタイハクオウムは、とても飼い主のことが好きだった。ところが飼い主が高齢で他界してしまい、失意に暮れ、ストレスから体の毛を抜くようになり、好きな歌を歌うこともやめてしまった。
そんなオウムを救ってほしいと元飼い主の妻に託されたのは、動物が大好きで、動物にも好かれる男性だ。
不思議なことにオウムは出会ってすぐにこの男性に心を許した。やがて元気を取り戻していったオウムは、男性と一緒にダンスを踊ったり、家族が飼っている動物たちと仲良く遊んだりと、第二の鳥生を幸せに暮らしているようだ。
【画像】 飼い主を失って悲しみに暮れていたオウムのオードリー
Bird Who Lost Her Owner Loves Dancing With New Dad | The Dodo
ミシャ・シトヴァさんは、仕事の関係で、パットさん(85歳)という女性の家に出向いた。
パットさんの夫は、オードリーというタイハクオウムをとてもかわいがっていたそうで、オードリーもとてもよくなついていたという。
ところが、夫が他界した後、オードリーは深い悲しみから、自分の毛を引き抜くようになり、大好きだった歌を歌うことも、ダンスを踊ることもやめてしまったのだという。
背中と尻尾、胸の毛がほとんど抜けた状態になってしまったオードリーに出会って2度目の時、ミシャさんは不思議な繋がりを感じた。
それはオードリーも同様だったようで、ミシャさんの腕に上って甘えるような仕草を見せた。
それを見たパットさんは、ミシャさんと妻のクリスティンさんに、オードリーを救ってほしいとお願いした。
快く承諾したミシャさんは、オードリーを自宅へ連れ帰った。新しい飼い主と環境に慣れるまでにおそらく数週間はかかるだろうと見積もっていた。
ところが、オードリーはあっという間にミシャさんに懐いたのだ。
元気を取り戻したオードリー、ミシャさんと一緒にダンス
オードリーは、ミシャさんが自宅にいる時はいつも後を追いかけ、自宅で仕事中の時にもミシャさんの膝の上に座って一緒に居たがった。
オードリーは、妻のクリスティンさんに完全に慣れるまでに2週間ほどかかったようだが、ミシャさんとの間には既に絆が築かれ、数週間経つ頃にはカップルとオードリーの間に信頼関係が生まれていた。
ある日、クリスティンさんが台所で音楽を流していると、オードリーがリズムに乗って体を揺らし始めたのを見た。
・合わせて読みたい→オウムにはそれぞれ音楽の好みがある(ニュージーランド研究)
YouTubeで「Old Town Road」が流れたのですが、オードリーはダンスし始めたのです。その時、オードリーが普段どれだけ踊るのが好きなのかということに気付きました。
2人は、パットさんからオードリーはダンスが好きということは聞いていたが、再びダンスをして元気を取り戻すまで時間がかかるだろうと思っていたのだ。
しかし、オードリーは思ったよりも早く元気になったようだ。
それからというもの、オードリーはミシャさんと一緒にダンスをするのが日課になった。
TikTokで動画を見る
新しい飼い主のもとで幸せな日々を満喫中
ミシャさんとクリスティンさんから、オードリーが楽しそうにダンスしている姿の動画を送ってもらったパットさんは、とても驚き、喜んだという。
オードリーがウチに来てからというもの、毎日いろんなことをして私たちを楽しませてくれます。
オードリーは、ミシャと一緒にダンスをするのが大好き。特にミシャの振り付けを真似て同じように動くのが好きなようです。
尻尾と背中の羽は少しずつ生えてきているので、心身ともに元気になってきているということです。(クリスティンさん)
抜けた様子が一番ひどかった胸の羽は、もしかしたらもう二度と元に戻らないかもしれないそうだ。
けれど、オードリーは今ミシャさんとクリスティンさん、そして3匹の犬と1匹の猫、1羽のミミズクと一緒に毎日幸せに暮らしている。
安定のヒゲメンだ。間違いないね!
/ written by Scarlet / edited by / parumo
追記(2022/08/19)本文を一部修正して再送します。
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