「もしここがゲームの世界だったら…」と想像するのは、ゲーマーであれば誰もが一度は通る道。どうしても遅刻ができない日に限って寝坊してしまい、国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの移動魔法・ルーラを詠唱し続けた経験があるのは記者だけではないだろう。

なお以前ツイッター上では、とある「落ちゲー」を連想させる奇跡の瞬間が話題となっていたのだ。

【話題のツイート】これはテンション上がる…!


■一見、なんの変哲もない光景だが?

注目を集めているのは、ゲームデザイナーのニカイドウレンジさんが投稿した一件のツイート

ビールケース

こちらの投稿には積み上げられたビールケースの写真が添えられており、街中や道端で目にするごくごくありふれた光景…と思いきや、ニカイドウさんは「散歩しててビールケースを見るたびに、ぷよぷよの連鎖の種になってないかチェックするっていうのをかれこれ12年くらい続けてるんですが、これは初めて見つけた2連鎖の種です」と、衝撃的な文章を綴っていたのだった。


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■『ぷよぷよ』のルールを知ってから見ると…

写真と本文だけではよく意味が分からない…という人のために補足させてもらうと、ニカイドウさんが注目しているのは、いわゆる「落ちゲー」と呼ばれるパズルゲームの代表格『ぷよぷよ』のゲームシステムである。

同ゲームは上空から降ってくるブロックの「ぷよぷよ」(以下、ぷよ)を操作し、積み上げていくのが基本となり、これらのぷよは「複数種類の色が存在する」「同じ色が4つ以上くっ付くと消滅する」という性質を持つ。

上空のぷよを「積み上げる」ため、下部に積んだぷよが消滅すれば当然、上部にいたぷよが落下することになるワケだが、この消滅→落下の動作によって新たに4つ以上のぷよがくっ付き、消滅することを「連鎖」と呼ぶ。

この回数が多ければ多いほど、2連鎖、3連鎖、4連鎖といった具合にアドバンテージが得られるため「いかに連鎖を組めるようにぷよを積むか」を主題にゲームメイクを行なうのが勝利のカギである。

ビールケース

これらの知識を頭に入れてから件の写真を見ると…ビールケースはキリンビールの「濃い黄色のケース」が4つ、アサヒビールの「薄い黄色のケース」3つが混在して積まれた状態になっており、こちらに『ぷよぷよ』の法則を当てはめれば、アサヒビールのケースがあと1つでも加われば、見事な「2連鎖」が成功するのだ。

■発見までの「経緯」が面白すぎる…

ツイート投稿主・ニカイドウさんはもともと散歩が趣味で、街中の色々なものを観察するのが好きだという。

ある日、酒屋に積まれているビールケースを見た際に「縦横に積まれ、奥行きがない場合が多い」「複数の色があり、積まれ方が様々」という性質があることに気づき、「まるで落ちものパズルだなあ」と感じたことが、今回のツイートに綴られた「ものの見方」に繋がったのだ。

そしてそれ以来、散歩中にビールケースを発見すると「連鎖の形になっていないか」を毎回チェックしていたのだが、連鎖を狙っている(?)酒屋は皆無であったそう。

今回の「2連鎖発見」までにじつに12年以上が経過しているワケだが、ニカイドウさんは発見時の様子について「今回見つけたのは田舎にある個人商店に置かれている物でした」「数が少ないのでしっかり整理する必要がなかったんですかね。数も連鎖に必要な最小限で、とてもちょうど良かったです」と、しみじみ振り返っていたの。


■全国のゲーマーからは…

なお、件のツイートは投稿からわずか数日で5,000件近くものRTを記録するほど注目を集めており、他のツイッターユーザーからは「この発想はなかった。自分もやってみよう」「世の中、いろんな人がいるなぁ」など、称賛(?)の声が多数寄せられている。

自身でもメガドライブ版の『ぷよぷよ』や『ぷよぷよ通』をやり込んでいたというニカイドウさんは「ゲームプランナー」として働きつつ、ゲームの研究をしたり、自主制作でゲームも開発しているという生粋のゲーム好き。

現在は一時期、開発が凍結状態にあった『ロケットパズル』というゲームに再度着手しており、こちらは推進力を持ったロケットたちを上手く母船にかえすことを目指すパズルゲームだそう。

今回のツイートに興味を持った人は、ぜひこちらもチェックしてみてはいかがだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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