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 歩き方は人それぞれだが、統計をとることで標準値がわかる。

 名古屋大学の研究グループが、日本の子供たちの歩き方を調べてみたところ、諸外国の子たちとは異なっていることが判明した。

 日本の小学生は、「股関節の動きがわずかに内股」になる傾向があり、股関節の動きがやや内股で、高学年になっても変わらないという。

 この発見は、正常な歩行と病的な歩行とを区別する重要なツールとして、歩行障害の治療やリハビリの役に立つそうだ。

【画像】 日本の子供の歩き方の特徴

 今回名古屋大学伊藤忠客員教授らは、愛知県岡崎市で暮らす6~12歳の小学生424人を対象に、その歩き方を調査した。

 調査では、骨盤からつま先にかけて反射マーカーを貼り付けた状態で、8メートル歩いてもらい、これを撮影して歩行パターンを計測した。

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 その結果、日本の小学生たちは、股関節の動きがやや内股で、高学年になっても変わらないことが判明した。これは諸外国での計測結果とは明らかに違うという。

 また、「歩幅」や「1分あたりの歩数」の年齢による変化も独特であることがわかっている。

 今回の結果によれば、高学年になると歩幅が短くなり、1分あたりの歩数が増加していた。

 成長による歩き方の変化はこれまで世界共通だと考えられてきたが、日本の子供たちには当てはまらないようだ。

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歩き方の評価や歩行障害の治療に

 なぜ日本の子供たちが、諸外国の子供たちと歩き方に違いがあるのかはわかっていない。

 海外サイトでは日本の寿命が長いことを引き合いに出し、健康的な食生活を送っていること、また、学校給食でバランスの取れた栄養が補給されていることを上げていたがあくまでも仮説にすぎない。

 しかし子供の歩行は、普段の生活における重要な動作で、その子の健康状態をも反映している。そのため「子供の歩行を評価するためには、年齢に応じた歩行を特徴づけることが重要」と説明されている。

 今回の調査結果は、正常な歩行と病的な歩行を評価するためのツールとなり、子供の歩き方を評価したり、歩行障害の治療やリハビリに役立てたりできるとのことだ。

References:名古屋大学 / written by hiroching / edited by / parumo

追記:2022年8月の記事を再送してお届けします。

 
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日本の子供の歩き方は諸外国の子供と異なることが判明