今回は「I don’t like it」の意味で使える、イギリス英語ならではの表現を紹介したい。自分が好きでない、もしくは、好みでないということを伝える場面は、日常的によくあるが、イギリス人はそれをどんなふうに表すのだろうか。さまざまな表現があるが、ここでは以下の3つの表現を覚えよう。

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■not my cup of tea

 直訳すれば「自分のお茶ではない」だが、これで「自分の好みではない」という意味になる。紅茶文化で有名なイギリスらしい表現ではないだろうか。実際、イギリス人にはそれぞれ好みの紅茶の種類やスタイルがあり、多くの人がそのことにこだわりを持っている。だから、「not my cup of tea」で「自分の好みではない」となるわけだ。

 何かにトライしてみて自分の好みではないと思ったら、「It’s not my cup of tea.」と言ってみよう。丁寧な言い方なのでフォーマルな場面で使っても問題ない。

 ちなみに、この表現はあらゆることに使える。初めて食べた料理が好みの味でなかった時、また、映画やスポーツなどを見て面白くなかった時などにぴったりだ。「I tried to watch a football game, but it was not my cup of tea.」のように使う。

rubbish

 「ゴミ」を意味する英単語はさまざまだが、「rubbish」は典型的なイギリス英語だ。アメリカ英語では「trash」や「garbage」が一般的によく使われる。ちなみに、前者が一般的な意味での「ゴミ」、後者は生ゴミを指すことが多い。イギリスでは両方の意味で「rubbish」が使われる。

 「ゴミ」という意味からもわかるように、好みでないものを表現するにはこの言葉はかなりきついイメージになる。「That movie was rubbish.」なら、文字通り「あの映画はゴミだ」と訳してもかまわない。したがって、「自分の好みではない」と婉曲的に意見を伝える場面には向かないが、イギリスでは一般的によく用いられている言葉なので覚えておくとよいだろう。

■naff

 あまり知られていない言葉だが、「naff」は典型的なイギリス英語のスラングだ。もともとの意味は「時代遅れな」や「ダサい」という意味で、おもに服装やファッションについて用いられることが多い。特定のファッションについて自分の好みでないと言いたい時などに、「That is naff.」と言う。

 また、ファッションに限らず、あらゆる物事についても同様の意味で用いられることがある。「That party was naff. I went home early.」なら、「くだらないパーティーだったから、早めに切り上げた」のようなニュアンスになるだろう。

「好きではない」の意味で用いられる、イギリスらしい英語表現