AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の東地区準々決勝、ヴィッセル神戸vs全北現代(韓国)が22日に埼玉スタジアム2002で行われ、神戸は延長戦の末に1-3で敗れ、ベスト8敗退となった。

神戸J1リーグで残留争いを強いられながらも、18日に行われたラウンド16ではJ1首位の横浜F・マリノスに勝利。対する全北も大邱FCとの同国対決を制し、ここに日韓戦が実現した。

最初の決定機は神戸。20分、小林祐が右サイドをスプリントした尾崎にスルーパスを供給すると、ここは全北DFにインターセプトされる。だが、ルーズボールを小田が回収し、ドリブルでボックス手前まで持ち運んで左足を一閃。枠は捉えたが、GKに難なくキャッチされた。

全北は延長戦までもつれ込んだ大邱戦から中3日というタイトなスケジュールのなか、スタメン11人中10人が同じ顔ぶれ。疲労を考慮してか、前線からのプレッシングはやや控えめで、カウンターやロングボールなどに活路を見出す。

それでもゲーム展開の改善が必要と感じたのか、全北ベンチは27分に早くも最初の選手交代を決断。Jリーグでも活躍したキム・ボギョンを下げ、大邱戦で決勝ゴールをマークした韓国代表FWキム・ジンギュを投入した。

一方の神戸も前述の小田のシュート以外は目ぼしいチャンスを作ることができず、スコアレスのまま前半終了。神戸は後半開始から小田にを下げて、横浜FM戦で先制点をマークした飯野をピッチに送り込んだ。

後半最初のチャンスは全北。61分、センターサークル付近からバロウが左サイドへ展開し、ペクスンホがドリブルで運んでボックス内まで侵入。最後は神戸DFを振り切って左足を振り抜いたが、シュートは大きく枠を外れ、ネットを揺らすには至らない。その3分後に神戸が待望の先制点をゲットする。

64分の左CKのシーン。小林祐のクロスはファーサイドへ流れるも、山口が回収してセンタリングを供給。これも一度はクリアされるが、再び足元にボールを置いた小林祐がライナー性のボールを中央に入れ、ゴール前で受けた尾崎が全北DFをターンでかわしてシュート。GKがキャッチし損ねたところを途中出場の汰木が押し込んだ。

ようやく先手を取った神戸だったが、すぐさま全北に同点とされる。全北は66分に自陣でグスタボがボールを奪取し、前線をスプリントしたバロウへ長めのスルーパス。バロウは神戸の追手をもろともせず、持ち前のスピードを活かしてボックス内まで持ち運び、最後は冷静にGKとの1対1を制した。

わずか2分で試合を振り出しに戻された神戸は3枚替えを決断。74分に郷家、小林祐、槙野を下げ、武藤、大崎、マテウス・トゥーレルをピッチに送り込む。

時計の針が進むにつれて徐々にオープンな展開となるなか、90分に神戸がビッグチャンスを迎える。汰木が左サイドでボールを受け、内側を駆け上がった左サイドバックの酒井や大崎とパス交換しながら中央へカットイン。ボックス手前から右足を振り抜いたが、惜しくも枠を捉えることができなかった。

神戸は後半アディショナルタイムにGK前川がファインセーブでチームを救ったが、90分間で決着はつかず、延長戦へと突入。なおも神戸が果敢に攻め込むも、欲しかった2点目は全北に訪れる。

103分、全北は自陣右サイドで神戸からボールを奪取すると、手数をかけずに左サイドへと展開。タッチライン際でボールを受けたバロウがセンタリングを供給し、最後はファーサイドを走り込んだグスタボが、神戸DFトゥーレルと競り合いながらヘディングを叩き込んだ。

この試合初めてのビハインドを背負った神戸は、延長後半のラスト15分間に全てをかける。108分には最終ラインから攻撃参加したトゥーレルが山口とのワンツーでボックス内に侵入して際どいシュートを放つも、全北GKにセーブされる。

113分には汰木が左サイドのタッチライン際からボックス手前中央まで一気にカットイン。力一杯右足を振り抜いたが、わずかに枠の左へ逸れてしまう。延長後半開始から神戸のワンサイドゲームと化すが、あと一歩のところでネットを揺らせない。

とうとう試合時間が120分がを経過。ラストプレーとなるCKのチャンスにはGK前川を前線に上げ、執念で同点を目指す。だが、跳ね返されたボールを拾った山口が全北のムン・ソンミンに奪われてしまいカウンターの餌食に。無人の神戸ゴールまで直進され、決定的な3失点。直後に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

神戸の2年ぶりのベスト4進出は叶わず、2試合連続で延長戦を制した全北が準決勝へ進出。3度目のACL制覇を目指す。

ヴィッセル神戸 1-3 全北現代
【神戸】
汰木康也(後19)
【全北】
バロウ(後21)
グスタボ(延前13)
ムン・ソンミン(延後17)

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