女優の永野芽郁、奈緒が23日、都内で行われた映画『マイ・ブロークン・マリコ』(9月30日公開)の完成報告試写会にメガホンをとったタナダユキ監督とともに出席した。


『マイ・ブロークン・マリコ』は平庫ワカ氏によるマンガが原作。2021年に文化庁が主催するメディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、ほぼ無名に近い新人作家の初連載作にも関わらず、異例の快挙を成し遂げて話題となった作品となる。


永野演じるシイノは、奈緒演じるシイノの親友・マリコがマンションから転落死した知らせを受ける。彼女の死を受け入れられないシイノだったが、マリコの遺骨が毒親の手に渡ったことを知り、奪取する。そのまま親友の遺骨とともに旅に出る…というストーリー。


【画像】永野芽郁、あふれる涙ぬぐう


オファーを受けてから原作を読んだという永野は「やりたいけど、やりたくないというのが第一印象でした」といい、「この作品を読んでいる方はわかると思うけど、とてつもないマンガ。衝撃を受ける。1つのマンガが1つの映画のように感じられた。マンガでこれだけ成立しているものを映画でやるのは、私の表現力も技術も足りていないのでは。原作ファンの方に私がシイノでなんで?と思われるかもしれない。期待に応えられる自信がなくて。でも、ほかの人に演じられるのも悔しい」と葛藤を明かした。


出演を決めた永野は、シイノが喫煙者だったことからクランクイン前の3、4ヶ月前から「たばこを吸うようにしよう」と決意。吸っていたのは、スタッフが用意したタールやニコチンが含まれないたばこだが「それがすっごいまずくて!後味があまりよろしくない。喫煙者の人ってご飯食べた後やお酒飲んでいるときにも吸っているイメージでしたが、そうすると味覚がぐっちゃぐちゃ。慣れるまで大変だった」と苦労を振り返った。またシイノが愛用していたドクターマーチンの革靴は、撮影11ヶ月前に受け取り、日常生活で履きつぶすなどの工夫も。ビジュアルもシイノに近づけるためスタッフと話し合って準備したという。


「全身全霊をかけた」作品が完成すると、奈緒とともに試写で鑑賞。永野は「最後の曲が流れて明るくなって横をみたら、奈緒ちゃんの顔がすごくびしょびしょで。キレイにメイクしていたのに、全部落ちていた。魂を削って演じていた姿を見ていたので、ここで奈緒ちゃんが救われたと思って2人で泣いた。周りの人に引かれていたよね(笑)」と恥ずかしそうに回想。奈緒も「まさか試写であんなにぐちゃぐちゃになるとは思わなかった」と照れていた。


こうして完成した実写版『マイ・ブロークン・マリコ』。永野は「見て絶対後悔させない自信がある」と胸を張る。イベント終盤、最後のメッセージを求められると「こうやって自信を持って絶対に見てほしいと言える作品ができて…」と話したところで感極まり、言葉を詰まらせる。横に立つ奈緒や監督に視線を向けつつ、「今日ここに足を運んだみなさんが帰る時には肩の荷が下りる作品になった。ゆっくり見ていってください。ありがとうございました……」とコメントすると溢れる涙を抑えられなかった。

【画像】永野芽郁、あふれる涙ぬぐう


ドワンゴジェイピーnews