俳優の永野芽郁と奈緒が8月23日に都内で開催された映画「マイ・ブロークン・マリコ」舞台あいさつ付き完成報告試写会に、タナダユキ監督と共に出席。同作の試写で二人が涙した際、永野が「周りの人、結構引いてた」と周囲の反応を振り返る場面があった。

【写真】今回の舞台あいさつでも感極まり涙を流した永野芽郁

■絶対に伝えなければいけない作品

同作は2019年に「COMIC BRIDGE」で連載され、翌年単行本化された平庫ワカの同名コミックが原作。主演の永野が鬱屈した毎日を送るやさぐれたOL・シイノトモヨを演じ、奈緒はその親友・マリコを演じる。

奈緒は今作のオファーを受け「『芽郁とまた作品ができるかもしれない』という思いもありながら原作を読んだ」という。「あまりに原作のパワーがすごくて読み終わった最後のページをめくった時に、本当にしばらく呆然とただ涙を流している自分がいた」と原作の印象を語った。

原作を読んだ奈緒は「これは絶対に伝えなければいけない作品だ」と感じたそう。「このすごい作品をこのすごいパワーと熱量・愛を持ってタナダさんが作り上げる組に、芽郁ちゃんがそこに座長としていて。こんな船に飛び込みたいって私はすごく思った」と出演を決めた理由を明かした。

■結構序盤から泣いてしまって

完成した作品を試写した際の思いを聞かれると「(永野の)隣で見ながらずっと、結構序盤から泣いてしまって。ずっと鼻をすする音で芽郁ちゃんには迷惑をかけたんじゃないか」と告白。

「原作を読んだ時に、私自身がすごく救われたんですよ。映画化したことによって『きっとこれは誰かを救ってくれる作品だ』っていうのを感じる映画になったので、ここでずっとお別れできなかったマリコにお別れして、皆さんの中でマリコとシイちゃん(シイナ)が生き続けてくれたらいいなっていうのは映画を見終わった後に思いました」と振り返った。

隣で試写をしていた永野は、奈緒が泣いていたことで、理由は分からないながらも自身は涙をこらえていたそう。

続けて「ずっとこらえていて、エンドロールの曲が流れて、ようやく終わって明るくなって、パッと横を見たらすごいビショビショで。(奈緒の)顔が。メークきれいにしていたのに全部が落ちていて」とその日の奈緒の様子を語り、「でもその顔を見て、本当に魂を削ってやられていた姿も見ていたので『またここで一つ奈緒ちゃんが救われたんだな』と思って、二人で泣くっていう(笑)」と試写を終えて自らも涙したことを打ち明けた。

永野が「周りの人、結構引いてたよね」と言うと、奈緒は「引いてたと思う」と同意。永野は「『すごい二人泣いてるー』って顔をしながら皆さん帰っていかれるのを見てた」と思い返し、奈緒は「まさか試写であんなグシャグシャになるとは思わなかった」と苦笑していた。

◆取材・文=山田健史

映画「マイ・ブロークン・マリコ」完成報告試写会より/撮影=山田健史