米フロリダ州で今月21日、61歳の女性郵便配達員が5頭の犬に襲われて死亡した。アメリカでは郵便配達員が犬に襲われる事故が多発しており、「早急な対策が必要」「飼い主を厳しく処罰すべき」との声が多数あがっている。『First Coast News』などが伝えた。

フロリダ州パットナム郡インターラチェンで21日午後1時頃、郵便配達員のパメラ・ジェーン・ロックさん(Pamela Jane Rock、61)が5頭の犬に襲われた。パメラさんは勤務中で、郵便配達車が故障し立ち往生していた際に起きた事故だった。

パットナム郡保安官事務所によると、パメラさんを襲った犬は現場近くの家の庭で飼われており、ワイヤーフェンスの下に置かれたブロック石をどかして庭から脱走したという。

現場にはパメラさんの叫び声を聞いた飼い主や近所の住民ら数人が駆けつけ、住民の1人は空に向けて銃を数発発砲したが、犬は襲撃を止めようとはしなかった。

保安官が現場に到着した時にはすでに大量出血しており、パメラさんはパットナム郡パラトカのHCAフロリダ・パットナム病院に救急車で運ばれた後、アラチュア郡ゲインズビルのUFヘルス・シャンズ外傷センターにヘリコプターで搬送された。しかし医師らの懸命の治療もむなしく、翌日午後7時半頃に死亡が確認された。

パメラさんの姪ケイディー・リッチリーさん(Kaydee Richley)は、今回の事故を受け「叔母が配達員として働き始めたのは昨年12月のことで、研修を終えて『新しい冒険ができる』ととても喜んでいたのに…」と明かすと、次のように述べた。

「医師は叔母の命を救うために腕の1本を切断し、残りの手足をスリングで吊るしていました。しかし2度も心停止を起こし、血圧の変動が激しく、事故の翌日に息を引き取ったのです。」

なお今回パメラさんを襲った飼い犬ミックスでこれまでにも何度か問題を起こし、動物管理局や保安官代理は過去3年間で4度の苦情を受けていた。また近所の住民は「あの家では、よくフェンスを飛び越えて道路に群れる犬たちを見かけたよ」と話しており、ケイディーさんは「なぜ叔母が死ななければならなかったのか。なぜ多数の犬が脱走できたのか。飼い主は何をしていたのか。なぜ放し飼いにしていたのか」と憤り、このように続けた。

「飼い主の動物管理に落ち度があったことは明らかです。犬たちは叔母を襲っただけではありません。バラバラに引き裂いたのです。」

5頭は安楽死されることが決まっており、当局が現在調べを進めているものの、この事故には「飼い主を厳しく処罰すべき」「ピットブルでは? 危険な犬は登録制にすべき」「何度も苦情がありながら、なぜ対処しなかったのか? 防ぐことができたはず」「早急な対策が必要」といった声があがっている。

ちなみに米国郵便公社(USPS)によると、米国では昨年1年間で5400人以上の郵便局員が犬に襲われているそうで、最も事故が多かった州はカリフォルニアで656件、フロリダは8番目で201件だった。

画像は『New York Post 2022年8月24日付「Florida mail carrier dies after being mauled by 5 dogs on her route」(Courtesy of Family)(Putnam County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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