コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、生配信中に何者かに襲われる女性配信者を救おうと主人公が奮闘する作品『ヤバい女性の配信に辿り着いてしまったんだけど…?』をピックアップ。作者の八時ななころさんが1話目を2022年8月5日にTwitterに投稿し、隔日の連載を続けたところ、計10万以上(8月22日現在)の「いいね」とともに毎回多くの考察コメントが寄せられ反響を呼んだ。この記事では、八時ななころさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

【ホラー漫画】“何度も”襲われる女性配信者…。予想外の展開が待ちうける創作ホラーに「鳥肌立った」の声

■ラストに驚愕!先の読めない展開と“考察したくなる”ストーリーが話題に

配信サイトを見ていた主人公の男はある日、一人の女性配信者の生配信にたどり着く。男は、「人が来ない」と話す配信者の後ろで、押し入れの隙間から誰かが覗いていることに気づく。しかし、女性は全く気づかない様子で配信を続けている。

なんとかコメントで彼女を救わないと!と意を決した男は、女性を一旦外出させようと酒を勧めたり、投げ銭をする。うまく飲酒させることに成功し、しばらく時間が経ったあと女性はトイレへと席を外す。その間に男はSNSでこの配信リンクをシェアし、助けを求めた。

そこに突然、手に包丁を持った奇妙な女が画面に現れる。トイレから戻った女性と鉢合わせになったとき、奇妙な女が配信者の女性を襲い、叫び声が響く。男がSNSで共有したこともあって、衝撃的な内容の配信に視聴者数が急上昇していた。すると奇妙な女が視聴者数の多さに焦り始め、配信者の女性が再び現れる。そこで女性は「ごめんなさい、実は友達に協力してもらったドッキリでした!」「友達はどこに隠れてたかって?押し入れに隠れてたよ!」と明かす。そこに、奇妙な女が「違う 私はベッドの下に隠れてたわよ?」と指摘した瞬間、後ろの押入れが開き、別の何者かがナイフで彼女らを襲った。

この惨劇を目の当たりにした男は「また救えなかった…」と嘆く。実はこれらは全て選択肢を選びながらストーリーが分岐していく、“押し入れに潜む殺人鬼から女性配信者をコメントで救おう!”というゲームだったのだ。どこかで選択肢を間違えたか、またやらなくては、と自問自答する男はいつの間にか、押し入れに潜む殺人鬼と同じ目つきをしていた…。

“生配信”という身近なシチュエーションを元に、先の読めない展開と何度でもループするストーリーが話題を呼んだ同作。Twitter上では考察のコメントも相次ぎ、「驚愕の展開!」「ちょっとゾッとした」「怖い」「鳥肌たった」「最終話見てからもう一度見直すとより面白くなる」など、読者からの感想が続々と寄せられ、注目を集めている。

■ショート漫画にする理由は「Twitterとの相性の良さ」。作者・八時ななころさんがこだわりを語る

――『ヤバい女性の配信に辿り着いてしまったんだけど…?』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

もともと、シリーズものの更新を何かしたいと思い、前作の『風邪ひいたらお隣のお姉さんがお粥作ってくれてんだけど…?あれ…?』というヤンデレホラー漫画が思った以上に反響があったため、もう一作品くらい似た作品を作った方が読者さんに喜んでいただけるかと思い、それに近いホラー系の作品を何か作りたいと思いました。自分の作家仲間の中に、配信アプリで配信者の活動もしている方がいて、時々お邪魔しに行くのですが、そのアプリ中では結構顔出しで配信している女性の配信者さんが多く、コメントも拾ってくれやすいので、そこから着想を得て今回の作品が生まれました。

――『ヤバい女性の配信に辿り着いてしまったんだけど…?』の中でご自身が特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

最終話一個前の、「また救えなかった…」というセリフが気に入っています。

――八時ななころさんは、シチュエーションが同じ2枚絵でセリフや表情が変化し物語が進行していく作品を描かれていますが、このような作風に至ったきっかけはありますか?また、2枚絵での作品を創るときのこだわりがあれば教えてください。

自分はまだまだ漫画家として未熟で、以前はTwitterでよくある4ページで完結する漫画や4ページ以上の漫画を描いてTwitterに投稿していたのですが、全く伸びませんでした。おそらくですが、4ページの漫画ですと、サムネイルが見切れてサムネイルで興味を持ってもらいにくく、タイトルがよっぽど興味が惹かれるものでないと、クリックされません。元々作者自体に人気があったりすると、伸びると思うのですが、私のような未熟者の作品は伸びにくい…と思うようになりました。2ページ以内であれば、サムネイルで絵の全体図が見れるため、内容が分かりやすく、ページ数も少ないため、読んでいただけやすいと思っております。

また、商業漫画の執筆もおこなっており、なかなかTwitterの更新に時間が割きにくくなっておりまして、4ページ分のしっかりコマ割りをした漫画を描くのが、商業漫画を描きながらだと相当厳しくなりました。Twitterはちょっとした隙間時間に覗く人も多いと思うのですが、そんな中1ページや2ページだと内容がすぐわかり楽しめやすいと思い、個人的には1、2ページの漫画はTwitterとの相性がいいのかなと感じております。そういった経緯から今の形式に辿り着きました。こだわりとしては、いかに内容を簡潔に描くか、です。文字も1文字でも少なくし読みやすくすることは毎回こだわっています。

一点、誤解を与えたくないのですが、勿論3ページ以上の漫画を否定しているわけでは全くなく、どの作品にも作者の想いやこだわりが込められていると思います。

――Twitterでのアップ後、リプ欄で考察が飛び交うなどとても大きな反響があったかと思います。特に印象に残っている読者からの反響があれば教えてください。

たくさんコメントを頂きまして、ありがとうございます。特に印象に残っているのは、この作品のオチや真相を考察して画像で投稿してくださってる方が数名いらっしゃり、しかもしっかり当たっており、私の作品にたくさん考察をして下さってとても嬉しく思いました。この場を借りて御礼申し上げます。

――今後の展望や目標がありましたら、お教えください。

今後も、Twitterでの更新を続けていき、皆さんが楽しんでいただける作品をもっと作っていきたいと思います。また、表では申し上げられていないのですが、漫画やシナリオ制作の勉強も裏でコツコツしております、まだまだ勉強が足りないなと思う事が多いので、日々これからも続けていきたいと思います。

――作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージがあればお願いします。

まだまだ自分は経験も浅く、至らぬ部分は多いかと思います。そんな中、フォローしていただけたり、いいね、RT、コメントでいつも応援してくださり、本当にありがとうございます。応援してくださる皆様への恩返しも兼ねて、自分のスキルをもっと上げていき皆様にもっと楽しんでもらえる作品をこれからもずっと作っていきたいです。

狙われた配信者は果たして助かるのか…八時ななころさんの『ヤバい女性の配信に辿り着いてしまったんだけど…?』が話題/画像提供/八時ななころさん